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4.センスがあると似合うは違いますわよ

殿下から贈り物が届きました。


内容を確認した時思わず目を見開いてしまいました。


なんなんですか殿下は!


内容はふんわりとした可愛らしいものや清楚でおしとやかなドレス数点と可愛らしいアクセサリー…


なんでこんなもの送り付けてくるんですか!


あれですか?私がやっと嫌いになって新手の嫌がらせですか?


何ともまぁ適切な嫌がらせですよね。


一応(・・)婚約者から送られた物を1度も身につけないわけにはいきませんしね!


贈られてきた品々はしっかりと流行りを抑えておりますしセンスとしても申し分ありません。


…でもそれとは別の重要な要素が大きく欠けています。


それは似合う似合わないという点です。


ほんとに私には似合わないものを…


私の容姿はこんな可愛い系や清楚系のものではありません。


なんですかこれ殿下の好みですか?


なら早く婚約破棄してそういう女性と婚約なさってくださいよ!


髪色だけなら白金色なので柔らかく見えるかもしれませんがこのつり目気味の真っ赤な目はそんな柔らかさを鋭さに変えます。


それにどことなく幼さを感じさせる顔立ちなのに何故かキツい印象を受けます。


極めつけはこの無駄に成長してしまったこの胸。


平民の間で流行っている恋愛モノで悪役の女性がいらっしゃいますがその方を体現したような容姿です。


そんな人がこのドレスを着こなせると思います?


無理に決まってるじゃないですか!


ご存じですか!税金の無駄遣いって!


えぇご存知でしょうね!


頭よろしいですから!


でもですねそれがこれに当たるんですよ!


………


侍女達よ…きゃっきゃっとしないでください。


そんなんじゃないですよ。


そうですね…


着てみないとサイズの直しとかあったら出来ないですから着てみますよ。



***


やっぱりこれらが似合っているとは思えません…


侍女達は似合うと言ってくれますがお世辞は結構です。


私に対してでは無く殿下に対しては必要なのでやっぱりそのままで。


こんなドレス着たことないんですけど…


恥ずかしい…


殿下の前では性格が悪く見えるように派手なものを着ることが多いです。


そしてお茶会やパーティーでは可愛い系というよりかっこいい系の女性らしさと凛々しさのいい具合をとったくらいのドレスが多いです。


つまり!


普段着ているものと真逆なんです!


無理です恥ずかしすぎます穴があったら入りたい!


しかも…


なんでサイズぴったりなんですか?!


まさか胸のサイズやお腹のサイズが殿下に…


いくらなんでもそれは16歳の乙女に対して…


これは考えても無駄ですね。


あぁ次のパーティーはこれで行くんですか…



***



「それ……僕が送ったドレスとアクセサリーだよね?」


なんで自分で贈って驚いているんですか?


着ないわけにはいかないでしょう。


婚約者しかも殿下からの贈り物を…


それがどんなに似合っていなくとも!


「そうですわ。ご自分で贈られたものをお忘れで?それとも似合わないものを贈ったから着てこないとでも思っていらしたの?一応(・・)婚約者からましてや王子殿下から贈られたものを身につけないのは不敬ですからね。」


「いや!似合ってるよとても。」


なんで焦ってるんです?


あぁ!


遠回しに似合わないものを贈るなんて最低ですね。


と言いましたからね!


そう思われるのは殿下としても避けたいんですね!


「お世辞は結構ですわ。流行やデザインなどばかりに力を入れずその人に合ったものを贈るようお願いしたいですわね。」


「贈るのはいいんだ。」


「そもそも婚約者なのに何も贈られないのは不審に思われるのでは?でも個人的にはやめて頂きたいですわね。こんな…いえ控えさせて頂きますわ。私以外の方に贈る場合それも考えなくては呆れられますわよ。」


そう言うと私はスタスタと歩きだし誰か知り合いがいないと探します。


歩き出した時にフンっ!と言わんばかりの雰囲気を放つのが重要です!


「ユーフロイト伯爵、伯爵夫人お久しぶりですわ。お2人とも変わりなくて…」


普通に挨拶をしたのですがお2人が一瞬固まりました。


何故驚いたひょう…あぁ…


あまりにも似合わずに驚かせてしまったのかもしれません。


「シャルロット様!お久しぶりですね。そのドレスとてもお似合いですわ!」


夫人が飛びつかんばかりに手を握りながら…


何故…


しかもはっとした表情で離れないでください。


なんか悲しいですから!


「こ、これは殿下も…」


殿下と言う言葉を聞いた途端私は恐る恐る振り返りました。


そこには漆黒の黒髪にペリドットのような瞳の殿下がにこにことしながら佇んでいました。


なんでいるんですか!


疲れるから離れたんですよ!

読んでくださりありがとうございました(* ॑꒳ ॑*)

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