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2.女性の趣味を疑いますわね

「はぁ…疲れました…」


家に帰り部屋で1人になりたい主旨を伝え、使用人が出て行ったのを確認してから呟くように言葉が漏れました。


正直人に嫌味を言うなど好きではありません。


社交界を生き抜くためには必要なので身につけてはいますが…


王族…それもとびきり美しい容姿の方に何が好き好んで…


第1王子、レーヴィ・グリフィン殿下。


整った顔立ちにすらりと伸びた手足に高めの身長…


これだけでも魅力的なのですが…


私の白金色の髪と赤い瞳と対をなすような漆黒の黒髪とペリドットのような緑の瞳は吸い込まれそうになるほどの輝きを放っています。


その容姿に加え様々な分野でも才覚を表し非常に聡明で歴代最高の王になるだろうと言われています。


これほどの揃った方でしたら同じように揃った令嬢でも恋に落ちてしまいそうなので婚約者候補になりうる方など山のようにいらっしゃると思うほどです。


私も婚約破棄を目指しているのにうっかりドキッとしてしまいそうになることがありますもの。


なのに何故…


思い出せば会った時から変わっておられたような…



***



婚約の申し出を受け入れたことで顔合わせが行われました。


ここで両者[と言いますけど家柄が良い方]が了承すれば婚約になります。


そのため…お城に向かいました。


この顔合わせは家柄の良い方の家に出向くのです。


憂鬱な気持ちを押し隠し通された部屋で待ちます。


しばらくして入ってこられたのは王子のみ…


王族として…などと思いましたがこちらとしては都合が良かったです。


でも…


うっかり見とれてしまいそうになる程の容姿で一瞬…


このまま婚約するのもいいかもしれないと思ってしまう程でした。


でもそんな訳には行きません!


少し打ち解けた頃から作戦開始です!


「美しい容姿ですけどタイプじゃありませんわ…」


呟くように小さな声ででもちゃんと聞こえるように言うのがポイントです。


それからも全力で嫌な本性を隠しているけど隠しきれていない方を演じます!


最初から嫌な感じの方の演技をしてはわざとらしいでしょう?


これで婚約には至らないはず!


もし婚約することになってもすぐに破棄に至るはずです!


でも…神経削られました……


疲れて帰った翌日には婚約決定の悲報ではなくて朗報が届きました。


それも……


笑顔の殿下もご一緒に…


こんな最低な女性を演じていますのに笑顔で婚約するだなんて…


思いもしませんでした。

読んでくださりありがとうございました(* ॑꒳ ॑*)

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