表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/56

第3話「掃討」

 バババババババババ!


 少年は全ての化物に何発もの銃弾を撃ち込む。

 少年が持っていたのは拳銃だと思っていたがあれはマシンガンなのか?!

 化物も銃弾の雨の前に動きを止める。

 1匹はその場で先程の化物の様に、断末魔を上げ、前のめりに倒れ、緑の液体を撒き散らす。

 もう動く事は出来ない様だ。

 ただ、1体は倒せたようだが劣勢な状況である事は変わらない。

 何せまだ、何体もの化物がいるのだから。


 ヒュッ―――


 風を切り裂く音が不意に聞こえた。

 その音の後に1匹の化物が横に吹き飛び、崩壊しているビルに頭から突っ込んだ!

 この訳が分からない目の前の出来事の後に、遠くの方から


 ダアアアァァァーーーーーーーン!!


 と銃声の様なものが聞こえた。


「ミトさん。サポートありがとうございます。」


 少年が呟く。誰に言ってるのか俺には分からないが。

 だが動ける化物が減った。この一瞬の間にだ。

 化物共は、周りを見渡して攻撃?された相手を視認しようとしているが見当たらない様だ。


「見えねーよ。ミトさんが何処に居ると思ってんだ。」


 少年が銃を構えたまま化物に言葉を放つ。


「さぁ、どうするんだ。まだやんのか?」


 化物共は、少年に目線を移し再び叫び声を上げる!


「はっ!怒ってる、怒ってる。」


 挑発なのか?言葉が通じなくても伝わるんだなと、この場にはそぐわない考えが頭に浮かぶ。


「でもな。後ろにも気を付けろよ。」


 ドガアアアァァァン!


 と大きな音と同時に、今度は1匹の化物が前のめりに倒れる!

 いや倒れたというより、アスファルトに化物の頭部が文字通りに"突き刺さった"

 その後ろに男性が見える。右手がアスファルトに刺さっている化け物の頭部を掴んでいる。

 化物が手足を動かし逃れようとしているが出来ない。

 男性はそのまま化物の背中にまたがり、今度は左手を大きく振りかぶり頭部にパンチを繰り出す!


 ドガアアアァァァン!


 もう一度轟音が鳴り響き、アスファルトに先程より深く化け物がめり込む!

 動いていた手足がピタリと動きを止めた。

 男性は動かなくなった化物にまたがったままで、少年に話しかける。


「シキ、後は片付けろよ。」


 左手の親指だけを立てて残りの化物に向ける。


「分かってますよ。ゲンさん。」


 その直後に残った化物の1体が、瞬時に少年に襲いかかる!

 一瞬で少年の目の前に移動し、その鋭い爪をもつ腕を大きく振り下ろす!

 だがその腕は、爪は、少年には届かない。

 少年が躱した訳ではない。

 少年は一切その場所からは動いていないのだ。

 何度目かの信じられない事が、また目の前で起きる。

 化物の体が縦に真っ二つに割れる。割れて左右均等に体だった物が倒れる。

 化物がさっきまで立っていた場所には、長身のスーツ姿の女性が一際大きな薙刀を振り下ろした姿で立っていた。


「フジワラ。気を抜くな。」


 透き通る様な声で少年に語りかける。


「はい。ありがとうございます。」


 少年はスーツ姿の女性に礼を述べる。


「フン。さっさと片付けろ。」


 大きな薙刀を回転させ、刃に付いた化物の液体を飛ばし、女性がこの場から去って行く。

 少年は再度残った1匹に対して銃を構える。化物も少年だけを見ている。

 だが少年は撃たない。何故だ?そう思った次には少年が意外な行動に出る。

 銃を右足のホルスターにしまって、そのまま俺を担ぎ上げこの場から離れていく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ