表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/56

第2話「守護」

 バンッツ!!


 音が聞こえた。何だ?何の音だ?

 恐る恐る目を開けると、目の前の化物の顔が後方に弾かれている。

 それは普通の人間なら首が"折れている"角度で!


 バンッツ!バンッツ!!


 先程も聞こえた音が連続でまた聞こえる。

 その音の後に俺の肩を掴んだ両の手が離れる。

 拘束から解かれ、地面に落ち、そのままその場に尻餅をつく格好になる。

 正面を見上げると、化物の両の掌からは緑色の液体が垂れている。

 化物は大きな咆哮を上げ、歪な角度の首を緑色に染まった両の手で、強引に元に戻し俺の後方を睨みつける。

 何が起きたのか分からないが、そのまま化物の目線を追うように振り向くと、両手で銃を構えた少年がいた。

 化物はその少年に襲いかかろうと瞬時に動く!凄まじいスピードで自分の横を駆け抜ける!!

 

 だが―――


 バンッツ!バンッツ!バンッツ!


 少年が放つ銃弾が化け物に当たり、緑色の液体を辺りに撒き散らす。

 周囲に響く再びの咆哮―――いや、これは断末魔なんだろう。

 化物は少年の手前で前のめりになって倒れる。

 まだ、思考が追いつかない。何が起きたのかも理解出来ていない。ただ、俺は助かったのか?


「大丈夫ですか!?」


 離れた場所から声をかけつつ、少年が俺の側に来る。

 尻餅をついたままの状態の俺に合わせて、片膝をつき心配そうな表情をしている。


「あ、あっ、、あぁ。大、丈夫だと、、、思う。」


 そのまま少年と向かい合いながら答える。


「良かった。じゃあ、ここは危険なんで急いで離れましょうか。」


 そう言って少年は笑顔で手を差し伸べてくる。

 その手を握ろうとした次の瞬間、辺りが暗くなった。

 まるで大きなビルの日陰に入ったような感じで。

 

 そして―――


 ドガーアァァン!!!!!


 地面が急に揺れ、凄い音が耳を貫く。

 反射的に目を閉じて、音も揺れも収まった後に目を開くと少年がまた銃を構えている。

 何故?その答えは絶望的に直ぐにわかった。

 先程倒した筈の化け物が1体ではなく、今度は5体同時に現れたのだ!


「なっ、何で、、、」


「同胞がやられて駆けつけたみたいですね。離脱が少し遅かったかな。」

 

 この状況を冷静に少年は俺に告げてくる。


「た、助けてくれ!おっ俺は、死にたくないんだ!!」


 情け無い。情け無い。情けない。

 だが、今頼れるのはこの少年しかいないのも事実だ。

 恐らく高校生だろう。大の大人が高校生にすがりついて助けを求める。本当に情け無い。

 しかし、少年は笑顔でこう言う。

 

「はい。大丈夫ですよ。皆様を守るのが僕の仕事ですから。」


 俺を安心させる為なのか、笑顔で答えてくれる。

 だが、その言葉を発した次の瞬間化け物達は一斉に飛びかかってくる!

 

 しかし―――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ