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プロローグ

私の地元を舞台に拡げていきたいと考えております。良ければ見てやってください。

「あぁ、今日も今日とて蜜柑が旨い」


蜜柑の木に寄りかかり、蜜柑を頬張りながら少年は呟いた。



彼の名は、豊 実(ゆたか みのる)。中学三年生で受験も合格し、現在は長期の春休み生活を満喫している。

彼が今居るのは、隣のおばちゃんの蜜柑畑。腰を悪くしたおばちゃんの代わりに蜜柑の収穫を終えたところである。彼が食べているのは、小振りで商品にならないものだ。お金をもらっても食費に使ってしまうため、こうした物的な報酬の方が彼にとっては嬉しい。

とはいえ、外にいるのも日差しが強くて少々辛くなってきた。彼はおばちゃんの家に戻る。


「おばちゃーん? 腰の調子どう~?」


昔ながらの家屋の戸を開けて、大きな声で訪ねた。


「おお、みのちゃんかい? どうぞ、入っておいで」

「ありがとー。お邪魔しまーす」


中に入ると、畳の部屋に布団を一枚敷いておばちゃんが寝そべっている。



「腰の調子どう?」

「朝よりか良さそうだよ。ありがとうね」


顔色も朝よりかは良さそうだ。気を使っているということもないらしい。


「いやー、年を取るのは辛いもんだねぇ。身体のあちこちにガタが来てるよ。あぁそうだ、収穫終わらせてくれたんだね。ありがとう」

「んーん、気にしないで。報酬も貰ったし」

「全く本当に蜜柑が好きだねぇ。お金に頓着しないのもほどほどにしときなさいよ」


そう言われると困ってしまう。お金が大切だということは分かっているつもりなんだがなぁ。


「そうだ。害獣も来るかもしれないし、畑の見回りしてくるね」

「おやおや、そんなこともしてくれるのかい? ここにはそんな危ないものは出ないけれど、気を付けてね」

「うん、大丈夫。ちゃんと分かってるよ」


毎年収穫の時期になると、決まってある害獣が現れる。害獣もきちんとしたところへ出せばお金になるので、たくましい農家さん達は積極的に狩って、臨時収入を得ている。


「私の使っている鍬は玄関に立て掛けてあるからそれを使ってちょうだい。気を付けてね」

「うん。じゃあ行ってくる」

「気を付けてね、いってらっしゃい」



玄関に立て掛けてあった鍬を手にとって、害獣退治用の装備を着込む。しっかりと準備が出来たのを確認してから、蜜柑畑を進んでいくと、見つけた。


「グギュゥィッ! イィッ!」


緑の肌に、痩せこけ、小柄な体躯。額の角に、ボロボロの腰巻き、脆そうな古びた木のこん棒。


ゴブリンだ。


「ギイィッ! グギュゥアゥアゥ!」


叫ぶゴブリンの後ろから、2体3体と新しいゴブリンが出てくる。


「さて、今日も害獣退治と洒落混みますかね」



ここは、日本の中でも田舎な地域。温暖で降水量の多い、密かに蜜柑が特産品の小さな小さな町である。





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