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異世界流しに遭った私の異世界生活  作者: プニぷに
第一章:新世界
23/75

17:初めてのギルド

この世界の貨幣価値は銅貨10枚で銀貨1枚。銀貨10枚で金貨1枚。金貨10枚でプラチナ硬貨1枚。


霙ちゃんがお金使うことがこれからないかもしれないので、一応書いておきます。

現在の霙ちゃんの所持金は、金5枚:銀4枚:銅13枚です。

 幻想地域から歩いて20分ほどで、綺麗な川を見つける霙。


「やば、なにこれ、みっちゃ透き通ってる……『みっちゃ』ってなんだよww」


 しばらく川の流れを見ながら下流へ。


 唐突に思ったけど、このまま行けばどっかの町に着くんじゃね?

 綺麗な川は飲み水になる。ならば、川を辿れば町がある可能性だってある。


 そう思って川下る。


「───異世界っぽいことしたいな……水浴びとかかな? やっぱ……ファッ!?」


 唐突に異世界を堪能しようとする霙。

 何かと独り言とかが多くて忙しい霙。

 彼女は水面で気持ちよさそうにしているイモリ(擬人化美少女)を見つけてしまった。


(うぉおおお!! ムチムチ! めちゃカワ!! 何あれ!長い髪の内側が赤くて、外は黒。スク水も背中側が黒くてお腹側は赤に黒の斑点……ハラアカイモリのフレンズか何かですかね?)


 幸いにも川は深くなく、ゆったりと流れている。

 霙はイモリちゃんと仲良くなるべく、下流に走って先回りし、装備と服を脱ぎ、川へ飛び込む。


「───ん? きゃぁあああああ!! な、何するんですか!?」


「うをぉ……尻尾もプニプニ……尻尾が細くて長いのがメスで太くて短いのがオスだよね」


「ええ、よくご存じですね……って、そのいやらしい手をどけてください!!」


 イモリちゃんも必死に霙から逃れようと水中に潜って回転してみたりするも、変態の執着心は異常の一言であった。


「グングニルレプリカ、あの変態を捕らえろ」


 一瞬水面が光ったかと思うと、霙は散々突き刺されてきた主神の槍に水中で刺された。

 霙を突き刺した槍はそのまま主のもとへ戻っていく……霙を突き刺したまま。


「ロキリカ様! ありがとうございます」


 槍に刺されたまま宙ぶらりんになっている霙は『ロキリカ』と呼ばれた奴を睨みながら槍を腹から外し、治癒魔法で回復する。


「ロキちゃん。付き合ってたのか? 私以外の女と」


「おいおい、美青年の僕にその質問はないだろ。僕は今も昔も女性に誠実で正直者なんだ」


「嘘つき」


「それはロキちゃんに対する誉め言葉かな?」


 いくら痛みに慣れていても、痛いものは痛い。

 ロキもそれを分かっていて、あえて霙を突き刺している。とにかくこの女は面白い。


 ロキは美青年の姿から霙が好きな紫幼女の姿に変身した。


「そういえば、どうしてロキちゃんがここに居る訳? それにその槍……」


「ああこれ? そこらへんに落ちてた木の枝をロキちゃんの変身術で変化させたの。ここに来た理由は霙をからかいに来ただけだから気にしないで、じゃあね! また遊んであげるよ」


 気の変わりやすい彼女らしいといえば彼女らしい。

 彼女が見せてくれたグングニルの弱点のおかげでオーディンとの戦闘でも200回に3回は勝てるようになった。

 そういう優しさはウチの根雪(ねゆき)に近しいものを感じる。


「消えた……見えないってことは魔法でもないし……すごいな、神様」


 すると今度は木の陰から一人の男が現れた。

 美少女に逃げられ、ロキちゃんに逃げられ……次の人は逃げないで欲しいな。


「ウホッ、こんなところで美女の全裸を見れるなんて、俺は幸せもんだぁ~」


 霙の目の前にキモ男が現れた。霙はどうする?

・殺す ・逃げる ・話しかける 


「霙ちゃんの裸を見て幸せだなんて、面白いこと言うのねアナタ」


「ああ? ミゾレ? 今ミゾレって言ったのか?」


「アチキの名前を知ってるのかい?」


「へへっ俺と『いいこと』してくれるなら教えてやってもいいぜぇ」


 うわぁ……出たよ。こういう美人とか美少女見つけたらとりあえず襲ってエロいことしようとするやつ。

 いるいる、そういう奴ね。異世界あるあるだわ。


 さっきまでの自分の行いをガン無視しての、この言いよう。

 他の霙達からのブーイング。正直、情報聞きだすために体を差し出しても別にいい。


 既に私は純白ではないし、幼少期の行為によって性機能が機能しなくなっている。まぁ半分は手術のせいなんだけどね。でも、行為が出来ないわけじゃないし、生理もこないからそれなりには役立ってる。


「ふ~んいいわよ。そ・の・か・わ・り、私を満足させなさいよね」


 キモ男は霙のスタッフたちが美味しく頂きました。




 情報を聞き出した後、紫雲(しうん)で心臓をひと突き。余った肉塊は()()食べようかとも思ったけれど、当の本人である『紫雲』が嫌がったので諦めた。


 あのキモ男の話によると医者が死に、ゴーストタウンが立ち入り禁止に、菫も捕まった。


 が、『()()()』は特に何も感じない。


 まぁ、私達の中にはそれを悲しむ人もいるし、エリンと師匠を心配するヤツもいる。だけど実感がないのだ、この体も心も。


 日の光が反射している川と森の美しさも、キモ男を殺した時も、何というか。

 自分(本体)はいつも頭の一歩引いたところにいる。自分は目から入ってくる景色を頭の中で見ている。そこは真っ暗で、周囲には妹や()()、他の霙達もいる。


 分かりやすく言うなら覗き穴から景色を見ている。

 だから、この体の持ち主が何を考えているか分からない。主導権がない私達は、ただ視界というスクリーンからの映像を見ておしゃべりするしかないのだ。


「あ、町みっけ」


 霙が朝ご飯の赤い塊を食べながら歩いていると大きな町が見えてきた。


「え~と? ライデンって名前なのね。まぁアチキには関係ないけどな」


 町に入ってすぐに近くにいた人にギルドの場所を教えてもらう。


 ギルドの中に入ると人がいっぱいいた。


「人間さんがいっぱいいるよ。すごいよ。どうしよ」


 霙が人ごみの中で戸惑っていると受付にいたお兄さんに話しかけられた。


「お嬢ちゃんはギルド志望の子かな?」


「そうだが、何か問題でも?」


「いや~問題はないんだけどね。ギルド証は持ってる?」


「ナニソレ?」


「ああ、じゃあこっちに来てくれるかな? 手続きが必要なんだ。後……その……君から漂う血の香りはどうしたの?」


「へ~分かるんだ」


「まぁ、僕も伊達にギルド職員やってないからね」


 霙は彼に従い、机と椅子のある部屋に通された。


「魔獣を殺した」


「違うね、魔獣を殺したならもっと獣臭さが残るし、何より君の服は血で汚れてないのに君の首には血がついてる。それって裸だったってことだよね」


 霙が首筋に手を伸ばそうとすると彼は霙の手を掴み、霙の首筋に付いた血液を嗅ぐ。


「ひゃっ……」


「やっぱり魔獣じゃないね。てことは『人間』かな? 話してくれるかい?」


 霙は素直に話した。

 やはり適当に川の水で流しただけじゃバレるか。と、少しは反省する霙。

 もしもこの町まで神聖魔法王国の息がかかっていたのであれば、この男も殺さなくてはならない。


 霙は覚悟を決め、彼の言葉を待つ。


「なるほど、そういうことでしたか」


「あれ? 本当に何とも思ってない」


「貴方は私の心が読めるんですか? まぁ僕も男なんでね。貴方の様に美しい方が裸でそこらにいたら、僕だって似たようなことを言ったかもしれません」


「それなら……」


「はい、問題なしです。ようこそギルド・ライデン支部へ、貴方のギルド参加を心より歓迎いたします」


 霙はギルド証を手に入れた。

 霙は彼から「女の子一人だと何かと不安でしょ? しかも、見たところ異世界流しに遭った人みたいだし一度はギルド学校に行った方がいいと思うよ」と言われてしまい、霙はソロで活動するつもりではあるもののギルドとの関りがある以上はこの世界の常識を学ばなくてはいけない。


 一応、霙は自分に『常識』がないことは理解はしている。



 霙は久しぶりに学校に行くこととなったのだ。


「無料で寮に入れなかったら森でテントだな。まぁ我流の技がどこまで通用するか気になるし、そろそろ普通の人間と闘いたいしね」


 学校に対する思い出は中学校を除いて悪い。

 でも、ここは異世界だ。前の世界と違う法律・規則があり、ある意味霙は自由である。


「学校が楽しみだなんて久しぶりだ……ニヒヒッ」


 受付のお兄さんに感謝しつつ、明日からすぐに行けるギルド学校に希望を抱いて、霙は格安宿のベッドで眠った。

根雪×紫雲 根雪×天泣 天泣×紫雲

この変態二刀流のどれをこれから使っていくか・・・


書いてる私と霙ちゃんからすると百合です。(姉妹武器)

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