旧校舎の一室放課後で
はじめまして。
改行等よくわからず、読みにくかったらすみません。
短いお話ですので、手の空いた時に読んでくださるとうれしいです。
いつも通りの放課後、部室へ行くと、先輩たちが部屋の飾りつけをしていた。今日って何かイベントあったっけ。
「おはようございます。先輩方、りょう」
「あっ、おはようひろくん!うあっひゃあ!」
杏果先輩がすべって転んだ。物理的に。
「杏果先輩のピンチっ!」
赤坂りょうの右手には、先輩の手から落ちたコップがあって、先輩はというと、派手に転んでいた。
「気をつけなさいよね、杏果。こぼれたら掃除が大変なのよ」
「ええー。少しは私のことも心配してよお日和・・・。りょうもジュースより私を助けて・・・」
りょうはというと、そのジュースをくぴくぴと飲んでいる。
「杏果はトラックでひき飛ばされても死なないから大丈夫よ」
「三日月先輩、いくらなんでもそれはひどいですよ」
部長の杏果先輩に対する扱いの雑さにおもわず口を出してしまった。そして口を出してしまってから、やってしまったと思ったけれど時すでに遅し。
「へえ・・・。私に口答えするなんていい度胸じゃない、ひろとくん?」
部長は、自分より下等な人間に言い返されるのが大嫌いだ。といっても、そんな人は僕ぐらいしかいない、らしいけど。
「ほら!二人とも作業に戻って、けんかしないで~」
さくら先輩が、僕たちのおでこをもって引き離した。
「ってうわあ!何を持ってるんですか」
「けんかなんてしてないわ。ちょーっとしつけてあげようとしただけよ」
とげとげしていて、モミの木のよう。たいして広くもない部室にはかなり不釣り合いだ。なんだかいろいろありすぎて気付かなかったけれど、部室には、プレゼントやシャンメリーなども置いてあることに気づく。もしかして杏果先輩が持ってきたモミの木(仮)って・・・クリスマスツリー・・・?
「ほらほら、ひろろんもクリスマスツリーの飾り付け手伝って~」
脚立に乗りながら、さくら先輩が僕を呼んだ。まさか本当にクリスマスツリーだったとは・・・。ちなみに、ぼくのことをひろろんと呼ぶのはさくら先輩だけだ。
「私もやります!」
突然、元気すぎる声とともに横から走って来たりょうに突き飛ばされた。
りょうめ。私もじゃなくて私がとは思っても決して言わない。
「ひろとくん、手伝って」
手持ち無沙汰になったところを丁度部長に呼ばれた。
「はいはいなんでしょう。さっきの続きは嫌ですよ」
「さっきの続きって何かしら?そこのオーブンの中に入ってるチキンを出してくれない?」
満面の笑みを浮かべた先輩は、部屋の奥を指さした。
なぜかうちの部室には、オーブンとかコンロとかシンクがあって、小さめのキッチンみたくなっている。時々、本当に使われなくなった旧校舎なのかと疑いたくなる。
「出しましたよ。どこに置けばいいんですか?」
「あ、ひろくんこっち持ってきて。みんなも集まって」
杏果先輩のもとへみんなが集まってきて、今日の部活動が始まる。
「みんな、メリークリスマス!」
「「メリークリスマス!」」
自分のマグカップを持った杏果先輩が乾杯の音頭をとり、我先にと料理に手を伸ばす。
ローストチキンを口に運びながら、部室に入ってからずっと気になっていたことを質問する。
「部長、なんで今日なんかにクリスマスパーティーをしてるんですか?というか、これって、クリスマスパーティーであってますよね・・・?」
「もちろんクリスマスパーティーであってるよ。確かになんでだろう!でもまあ楽しいからいいんだよ、きっと!」
ケーキにぱくつく部長のかわりに杏果先輩が答えた。
今日は七月二十五日。夏真っ盛りで外ではセミが鳴いている。
「クリスマスが何月何日だか知ってますか・・・」
「十二月二十五日でしょう。クリスマスイブは二十四日ね」
取り分けたケーキを忙しそうに口にはこびながら部長は答えた。その言葉に僕以外のみんながうなづいた。満場一致。
「どうしてみんな、何も思わないんですか!?今日は七月ですよ。真夏ですよ!」
しかしながら、全員が僕の言葉が聞こえていないかのように、ただひたすらに咀嚼音だけが狭い部室に響く。
「だれか何か言ってくださいよ・・・」
「ひろろんも食べないとケーキ無くなっちゃうよ~」
今までの僕の抗議を全く聞いていなかったかのようなさくら先輩の言葉に、あきらめることの大切さを学び、素直に引き下がる。
なぜか僕以外のみんなが用意していたプレゼント交換をしたり、なんだかんだ楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
片づけをしている間、「クリスマスにやらなくったって楽しいでしょう?」と部長の声が聞こえたのは僕だけの秘密である。
みんな、知ってたのかもしれないけどね。
はじめまして。
なけなしの語彙力と文章力を絞りきって書きました。
誰が何言ってんのかわかんねーよ!って思っても許してくださるあの海のように心の広い方だと信じております。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
また続きを書いたときにお会いできることを願っております。




