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救世主、山田  作者: 直井 倖之進
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エピローグ


               エピローグ


 中央宮殿二階のテラスに山田が姿を現すと、広場に集う民から大きな歓声が上がった。

 山田の隣では、やや緊張した面持ちの敦也が、彼女と眼下の民との交互に視線をやっている。

 やがて歓声が止み、広場が水を打ったような静けさに包まれると、山田は、ゆっくり一歩踏み出して口を開いた。

「今日、“パウ”は新たな星へと生まれ変わりました。二度と他の星を侵略することなきよう、星の兵器は、全て捨て去りました。また私たちは、今後も永久にそれを放棄します。これにより、真に平和を愛する星となったのです。なお、新たなる門出を祝し、民のさらなる発展を願い、本日この時を以て“パウ”はその名称を変更します。新しい星の名前は、“ATSUYA”です」

 一瞬、「おぉ」、というどよめきが広場を席巻し、それは、すぐに拍手と歓呼の声へと変わった。

「“ATSUYA”! “ATSUYA”!」

 鳴り止まぬ“ATSUYA”コールに、山田が手をふって応える。そこに歩み寄り、敦也は彼女に耳打ちした。

「いいのか? そんな名前をつけてしまって」

「いいの。だってこの星は、私が最初に見つけたんだから」

 夢が叶った山田は、そう言って無邪気に微笑んだ。


 新星“ATSUYA”。

 それは、確かに、山田の私的な想いによってつけられた名なのかも知れない。

 しかし、彼女が“ATSUYA”を平和へと導いたのは、紛れもない事実だ。

 そう。山田は、地球の救世主というだけでなく、“ATSUYA”の救世主でもあったのである。

 ご訪問、ありがとうございました。

 今話、エピローグをもちまして、5作目となる『救世主、山田』も完結です。

 縁あって、今回初めて直井 倖之進の名をお知りになり、本拙作に目を通していただいた皆さん、他の4作につきましても、よろしければお付き合いください。

 また、これまでの作品の全てにお付き合いくださっている皆さん、個々のご都合ある中で私の小説に貴重な時間を割いてくださっていること、感謝の念につきません。本当にありがとうございます。

 無駄に年を重ねただけの41歳の私という人間が、想像し、創造した世界を、日本語という言語を通して、皆さんにお伝えする。そして、拙いながらも紡いだ物語から、皆さんに何かを感じ取っていただく。

 小説という文字媒体の一方通行型コミュニケーションは、その真意、裏意において伝わりづらいこともあります。ですが、それだけに受け取り方は十人十色です。多種多様な想いを、読み手の胸の内に芽生えさせることができます。

 ひとつの想いが他者に伝わり、別の想いを芽生えさせ、想像の世界が広がっていく。

 物語を紡ぐ面白さは、そこにあるのやも知れません。

 

 さて、本作『救世主、山田』の完結に伴い、以下、次作についてのお知らせをいたします。よろしければ、今後ともよろしくお願いいたします。

 

 6作目は、『ドールマンサー伊織』という物語です。今回と同じく原稿用紙100枚程度の短編で、ジャンル分けが難しいため、“ノンジャンル”で置かせていただくこととします。(という予定だったのですが、どうやら“ノンジャンル”へは、意図的に置けるものではないようです。“その他”になるみたいです。ごめんなさい)このエピローグ投稿後、プロローグを投稿いたしますので、興味を持っていただけましたら、続きもよろしくお願いいたします。

 なお、『ドールマンサー伊織』より、3日に一度の更新となります。次話更新につきましては、各話後書きに記しますとともに、ブログでもお伝えしておこうと考えております。

 また、ブログでは、更新情報や日常生活についてなど、毎日取りとめもなく何かを綴っております。直井 倖之進で検索していただきますと出てくるかと思いますので、よろしければどうぞ。

 それでは、重ねてのお礼、誠に恐縮ではありますが、今一度。

 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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