ここに来て新キャラ登場! 執筆当時の焦りというかアホさが出てますね!
そして次の日。
土曜日なのだけれど、進学校だからなのか、普通に授業がある。それも全日。普通に六時間目まである。
この学校の何が辛いかっていうのは主にそこにあるんだけど、僕は目をこすりながら登校していた。
「おはようございます。井上くん」
声をかけられて振り向くと、そこにはおっぱいが服を着て歩いていた。
もとい、神埼さんが歩いていた。
「おはよう、神埼さん」
朝からほんとダイナマイトなおっぱいだよ。これでいて太っていないだなんて女子からも羨ましがれる対象なんだろうな。なんて僕は思った。妬まれることもありそうだけど。
「話、楽しみにしてますね」
僕にそっと近づいて、神埼さんがぼそっと僕にだけ聞こえるぐらいの声で言った。
「えっ」
立ち尽くしてしまう僕をおいて、神埼さんは人混みに紛れて行った。
楽しみにしてるって、一体どんなことを話されると思っているんだろう。僕は告白をしようとしてるだけなのに。
そんな風に思われてると、萎縮してしまう。
気を取り直して、歩こうとした時だった。
「例のぶつが入ったでござる。いつもの場所に――」
男の声がした。
だが、僕はこの声の主を知っている。一年生のころからの心の友だ。
僕はワクワクしながら一時間目をやり過ごした。
僕は二年になってからまともに授業を受けてる様子が全くないけれど、実はちゃんと受けてることもある。
そんな僕は胸を踊らせながら男子便所へと入っていく。
そして大便器用の個室二番目を四回軽くノックする。その時、周りに人が居ないかどうかも十分に確かめて……。
かちゃり、と鍵が開く音がして、僕は素早くドアの中に入り、急いで鍵を閉める。
「で、例のものは?」
「もちろん持ってきたでござる」
トイレの中に居るのは小柄の男子生徒。名は里中公孝という。人はは彼をエロの小さな巨人と呼ぶ。もしくはテングエッグ様だ。
残念ながら二年では別クラスになってしまったが、僕らの友情はそれでは砕けなかったようだ。こうしてまた二人で例のぶつを鑑賞できる時がくるとは。
「井上どの、これを見てくだされ」
テングエッグ様が取り出したのは一冊のエロ本。
これはただのエロ本ではない。巨乳大特集と書かれている。
さすがテングエッグ様である。
「しかも、これは春の制服美巨乳、真新しい制服に身を包む女子高生たち。じゃないか!
よく手に入れたね」
「我に不可能はないでござるよ。フヒヒサーセン」
何故か謝るのがテングエッグ様の口癖なのだけど、これは本当にいい本だ。
「見てくだされ、このものすごいパイオツ、我はもうたまらんでござるよフヒヒサーセン」
そう、このテングエッグ様も巨乳好きなのだ、いわば僕の同志。そんな僕らは一年の頃こうやってよく男子便所で密会を行っていた。
写真には大きなおっぱいがいくつも写っている。もちろん顔から足にかけても写っているがどう見てもおっぱい押しだ。
水着姿や制服からあふれんばかりの巨乳写真がずらりと雑誌にまとめられている。
「やばい、やばいよこれ。最強すぎる」
「そうでござろう、そうでござろう」
僕らは時間の限り雑誌を見つめた。
「あ、そろそろ時間がやばい。戻らないと」
「時間が惜しまれるでござるな。それはそうとまだ最後まで見てないでござろう。貸すでござるよ」
「えっ、いいの?」
「もちろんでござる。我と井上どのの仲でござらぬか」
「ありがとう!」
さすがテングエッグ様だ。
僕はテングエッグ様がこの雑誌を入れてきた茶色い封筒をもらい、その中にエロ雑誌を入れる。
「次の授業が始まる。もどらないと」
「そうでござるな。戻るでござる」
二人して、個室から出て、誰も居ないのを確認。よし、二人で一緒の個室に入っていたことはバレていないな。
大丈夫だ。これで教室まで無事に戻ることができれば。
そう思って男子便所の出入口を開けた。
「あ、お兄ちゃんここにいたですかー」
目の前につかさちゃんが現れた。
僕はとっさのことで驚き、今、命より大切な封筒を落としてしまった。
「ん、これはなんですかー」
「あ、そ……それは……」
僕が急いで取ろうとするのを見て、つかさちゃんは加速。封筒がつかさちゃんに渡ってしまった。
「内緒事はよくないですー。つかさにも見せるですー。お姉ちゃんも一緒にみるですー」




