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この頃ツーサイドアップテールキャラよく書いてた気がする

「そうなんですねー。お兄ちゃん、つかさ可愛い?」


 つかさちゃんが可愛く聞いてくる。ツーサイドアップテールの髪がぴょこぴょことしている気すらする。


「うん、つかさちゃんは可愛いよ」


 僕はあっさりと答えた。特に深い意味はない、純粋に可愛いと思ったからそう答えた。僕がロリコンとかそういった意味じゃなく、こんな妹居たら可愛がるだろうな。ぐらいの気持ちである。


「きゃー。お兄ちゃんに可愛いって言われたですー」


 つかさちゃんは両手を頬に当てて頭をブンブン振る。嬉しいのだろう。感情が直球的で実に六歳児っぽい。現実に六歳児なんだけど、天才幼女っていう感じがしない。勉強以外では本当に普通の子なんだなと僕は思った。


 そして、何気なく神埼さんをチラ見したけれど、つかさちゃんの方を見て微笑んでいる。


 小さい子が好きなのだろうか、神埼さんは面倒見もよさそうだし、きっと妹みたいな感じでつかさちゃんのことを見ているのだろう。


「神埼さんは、兄弟とかいるの?」


 ちょっと気になったので聞いてみた。


「いえ、私は一人っ子ですよ」


 家族は両親と私だけです。と神崎さんは言う。


 兄弟がいないからなおさらつかさちゃんのことを妹的な存在として見ているのかもしれない。実際つかさちゃんは可愛いし、いい子だからその気持は分からないでもない。


「そういう井上くんは兄弟とかいらっしゃるんですか?」


 神埼さんが聞き返してきた。特に意図はないだろう、ただの話題づくりの。さっきの会話からの便乗質問。でも、神埼さんに質問されるという喜びを僕は感じながら、答える。目線がおっぱいに行かないように気をつけて。


「姉が一人いるよ。県外の大学に行ってるから一緒には暮らしてないけど」


 そういえば久しく会ってない。と姉のことを少し思い出す。中学三年の時に姉が大学一年だったはずだから今は大学三年か。元気にしているのだろうか。


「お姉さんですかー。いいですね。やっぱ小さいころは可愛がられたりしたんですか?」


「いやいや、普通……だと思うよ」


「お兄ちゃんは、お姉さんになんて呼ばれてたですー?」


 つかさちゃんが興味津々で聞いてきた。


「春くんって呼ばれてた。……ていうか今もかな。しばらく会ってないけど、喋ったら多分春くんってよばれそう……。つかさちゃんは兄弟とかいるの?」


 居るとしたら兄弟そろって天才なのだろうか。


「うん、弟が一人居るですー。まだ小さいからすっごく可愛いです」


「へぇ、今何歳なの?」


「三歳です」


 三歳か、ならまだ天才云々はなさそうだ。姉が天才だから五歳とかになったらいやでも注目されそう。そう考えると天才の弟ってのも大変そうだ。


 誠はその話を黙って聞いている。そうか、別に僕みたいな目的がないから率先して話す理由はないのか。弁当も食べ終わったしそろそろ僕も動かないと。


 そう思っていた時だった。


「あ、つかさ職員室に行かないといけないです。ちょっと行ってくるです」


「私も付いて行きましょうか?」


 一人で職員室まで行くということに心配したのか、神埼さんがつかさちゃんにそういうも、


「一人で大丈夫です」


 つかさちゃんは胸を張って言った。そして、手を振りながら教室を出て行った。


「神埼さんは昼休み暇?」


 つかさちゃんが居なくなった。これはチャンス。と僕は神埼さんに話しかける。ここは一気に押せ押せしかない。


「はい、特に用事はないですよ」


「そっか、じゃあちょっとついてきてよ」


「どこへですか?」


「いいからいいから」


 僕は誠にアイコンタクトを飛ばす。


 二人っきりにしてほしい。という意味を込めて。


 誠はそれを組んでくれたのか。


「さて、俺も飯食ったし自分の席で一眠りするか」


 等といって席を立った。ついでに机も戻してくれるようだ。恩に着る。



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