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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

今日から学校と仕事、始まります。①莞

休みって欲しいじゃん?

作者: 孤独

突如、意識が飛ぶという病気がある。


「”てんかん”でしょう」


”てんかん”。

その症状は非常に様々であり、近年においては”てんかん”による交通事故などでその名が知られているだろうか。

症状が分かったとしても、完全な治療というのは難しく、発作を起こす間隔も未知数。それは本当に唐突に来るため、避けようがないと語らせてもらおう。

酷く、大袈裟かもしれないが、大地震が急に発生するという確率で、前触れも感じ取れない。


症状を抱えた人にとって、発作に気付いた時はベットの上などという事もある。



「お薬は出して起きますね。お大事に」



世界の5本指に入るであろう名医、リガー・ロペスはこの”てんかん”の患者に薬を処方した。

必ずの服用で抑えられるという保障もない病気である。

それでも、この患者の病気は必ず治すと誓っていた。



「それで天草さん。先ほどからなんですか?」

「悪い悪い。仕事の邪魔をしちゃったか?いやー、外人なのに日本語ペラペラだよな」

「語学に精通する義務が医者にはありますからね。特に私はどこでも、誰でも診療するフリーの医者です」


医者であり、様々な患者を相手にしてきたリガー・ロペス。医者としてはフリーのドクターであるが、所属しているところは日本にある鵜飼組というヤクザ組織に席を置いている。天草試練あまくさしれん、現鵜飼組の組長からの頼みでリガー・ロペスはそこにいた。


「もしかして、命を獲りに来ましたか?前、鮫川組長は私の命を狙っていましたからね」

「んなわけあるか。そりゃ鮫川さんは俺の師匠だけどな」


抗争や内紛によって、人材不足に陥った鵜飼組。かつての標的であっても、水に流し向かい入れて組が存続した。


「”用心棒”っつー、幹部まで引き受ける条件の一つに、今の患者への支援だとは意外でな」

「私にも色々あるんですよ。席に入るだけでも、支援金をいただけるなら嬉しいですし」


◇     ◇


それは昔、身体が凍りそうな猛吹雪の山の事。

どこでも、誰でも診療する私であっても、”いつでも”は引き受けないのです。私が必ず起きている時、食事をしている時、トイレやお風呂をしている時。絶対に緊急の患者が来ても引き受けなかった。



「世界の5本指に入る医者とか言われてますけど、医療ミスを5度している身ですし。医者としては下の下です」

「治らなかった病魔もあんだろ?あんたの功績は数多くの難病を治したことだ」

「それもありますが。何よりミスはいけません」


万全かつ最善を尽くさなければいけないため、自分自身に不調があれば万全などできないわけだ。


「そう。その日、あれはいつも楽しみにしていた12月29日~1月5日の温泉&スキー旅行中のことでした」

「そういや休みたい日の固定も要求だったな……」



その時、私はスキーを楽しんでいた。なにせ、年に4回、13日しかできないスキーであったからだ。

度重なる負担から解放されるべく、楽しんでいたから浮かれていたのだろう。


「猛吹雪故、今の人と衝突してしまったのだ。それも後ろから猛烈な勢いで」

「何してんだよ!」

「私はさすがに焦ってしまった。私だって怪我もしていたが、彼はそこで意識を失っていたのだ」


双方、骨折。

医者でもあった自分は手負いながらも診察、治療を行なうも、精神的なショックもあって上手くいかなかった。

誤った判断というか、


「患者が”てんかん”だったから、避けてくれなかったんです……と、弁護士に訴えました。患者に記憶がなかったのも都合が良かったです」

「お前、サイテーだな」

「その時は所属していた伊賀さんや大野鳥さんの方々にお世話になりましたね。カルテなどの操作をしてもらいました」


偽のデータを教えることで患者は深いショックを受けた。しかし、私も仕事を失わないためにもその場はそうした。


「一つ間違えれば大犯罪じゃねぇか。ウチ、ヤクザやマフィアの扱いだが合法だぞ?」


溜め息をもらした天草であったが、リガー・ロペスはこう弁論した。


「私はそれでも医者ですよ。刑務所ムショの中で貢献するより、外で貢献すべきと自負してます。そして、キッチリと法や罰則の続きも受けるつもりです」

「そりゃそうだ。誰かに貢献できる技術があれば牢屋より並以上の生活をさせるが、正しい人の扱い方だ」


リガー・ロペスの過去の一つと、言葉に納得して今日は金を直接。渡しに来た天草であった。

と同時に部屋にあった電話が鳴った。


「あ」


そのことに気付き、それがなんなのか思い出したリガー・ロペスは急遽、金が欲しかったことを思い出し、受話器をとった。


「もしもし、今度のアメリカ旅行の話?うん、すぐ振り込むよ。迷惑をかけたね、ラブ・スプリング。え、光一さんも来るって?それはビックリだねー」

「……………」



一つ。電話中に、医療行為や話しかけることは行なわないというルールがある。もっともらしいマナーであったが、



ガチャリ



「天草さん。約束の講座に振り込んで来てください。それと、4月2日~4月10日はアメリカにいますので」

「お前。ホントに患者を大切にしてるんだよな?」


いやぁ。

医者であるからこそ、社会人であるからこそ、休みって重要じゃない?




自分の情報として、残します。変更もあるかもしれません。


現在の鵜飼組シリーズの登場人物、一覧。


天草試練、鵜飼組の組長。(4代目。師匠は3代目の鮫川)


現在の幹部、”用心棒”。6人となっているが、厳密には違う。


1.木見潮朱里咲 (慈我の娘、一度家業から足を洗って教師もしていた)

2.山寺沙耶   (光一の娘、沖ミムラや山本灯とは友達)

3.出雲安輝   (天草の弟子。ちょい影薄い)

4.赤沼純介   (他多数であり、色々分けあり、鵜飼組の初代組長)

5.大野鳥夜枝  (他多数。同じ個体が数多く存在する)

6.リガー・ロペス (名医。所属は鵜飼組だが、世界各地の組織と繋がりがある)


脱退者。

山寺光一、 3代目鮫川との内争によって、アメリカへ。 (天草、朱里咲とは同期。ミムラとは知り合い。娘は沙耶)


伊賀吉峰、3代目鮫川との内争によって、中国へ。 (元は中国マフィア、チャイニーズ・ワンズの首領であった)



死亡。

慈我、2代目組長。(朱里咲の父親であり、鮫川の同期。戦争屋として有名だった)



行方不明。

鮫川隆三、3代目組長。光一と戦い敗北したが、死体が見つからず、生きている可能性もある。 (生きているが、天草達に会えない理由があるのかなー)



その他。

沖ミムラ、別のシリーズの登場人物。鵜飼組のほとんどと面識がある。天運の持ち主。


ダーリヤ・レジリフト=アッガイマン、たぶん。全体のシナリオにおいてはラスボス筆頭。所属はロシアであり、軍総司令。伊賀とは取引相手。

魔天と恐れられる最強候補の”超人”。鵜飼組とは因縁あり。人類を進歩させる事が目的。




いつかは彼等が登場できる長編を書きたいですね。

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