(少女+虛)×問いかけ=【陽炎日記】
思い切って題名変えました。いや・・・だって長いじゃん・・・
一瞬右側の男の言っている意味が分からなかった
しかし左側の男のしていることは分かった
「【属性魔力:土】+【性質魔力:形成】=【鍛冶屋の不良品】発動。」
左側の男の両手には身に付けていた装飾品があった
その装飾品は【魔法公式】を唱え終わるとゆっくりと変化していった(擬音語で表すと《ぐんにょり》だろうか)
そしてさっき飛んできた斧より一回り小さい斧が出来上がった
しかし問題は大きさではなく数だった
その数4つ
しかも小さくなったということは投げやすくなったということで
「キヒヒヒヒ!!」
そんな不気味(というより変な)笑い声と共に斧による投擲攻撃が再開された
「うをぉ!」
一投目はバックステップでかわす
二投目以降は少し体をそらす程度でよけられた
「うしっアイツそんなに命中率良くないなこの程度なら・・・」
「なんとかなるとでもお思いですか?」
「ですよね!!」
その声は目の前の斧が花畑に突き刺さった勢いで舞う花びらと土埃の中から聞こえた
「【属性魔力:木】+【性質魔力:粘着】=【蜘蛛糸草】発動。」
「やばっ!!」
虛は間合いを取ろうとした
が、相手の【魔法】の発動がワンテンポ早かった
「うをぅ?」
幸い相手の【魔法】は肉体にダメージを与える類の種類ではないらしい。
一言で表すなら【捕獲系】である
【魔法公式】を唱えた直後男の足元から細いツタが無数に生えてきて虛に絡まってしまったのだ
いや、絡まっただと少し言葉足らずである
もっと正確に現状を説明するとツタにくっついた上で絡まったのである
そしてそのとき抱きかかえていた少女を地面に落としてしまったのである
「うぁぁ。」
少女の小さなしかしはっきりとした呻き声がする
「いけね!おい?だいじょぶか!?」
しかし少女は返事をしない
「おい、おい、お~い。」
「無駄ですよ。」
そこに右側の男いや今はエセ紳士と表現したほうがしっくりくる男が話しかけてくる
「それは多分痛みによって気絶しているでしょう。」
「お~い意識あるかぁ?」
「もし意識があったとしてもそれが喋れるような追い詰め方はしていません。」
「お~い聞こえてる?」
虛はエセ紳士の言葉に少しも耳を傾けていない
「・・・・・あなたいい加減にしたら・・・」
「あっちょっと黙ってくない?眼中にないから。」
「っ!!なんですって!?」
エセ紳士が眉間にしわをよせる
「何度でも言ってあげるよ。テメーなんか眼中にない。今俺が話しかけてんのは一人の女の子だ。これでもそれでもない女の子だ。名前もまだ聞いていない女の子だ。俺が今返事をして欲しいのはそこにいるただ一人の女の子だけだ。」
「こっ・・・この・・」
「黙れって聞こえなかった?」
「くっ。」
虛はエセ紳士に目の一つも合わせていない
ただうつぶせに倒れている少女の方に向かって言葉を発する
「聞こえてるでしょう。何時頃から逃げているが知らないが、今まで痛い目に合いながら一人で逃げてきたんだろう?それでも意識を手放さなかったのは誰かに助けてもらいたかったんだろ?だったら・・・・・」
そこで虛は大きく深呼吸をする
「俺が助けてあげる。」
花畑に虛の声だけが響く
「・・・フ・・フフフ・・・フハハハハハハハハ!何言ってるんですか?今の状況がわかって・・・」
「うるさいなぁ黙れよ。何回言ったら分かるんだこの低脳。」
「っく!この・・・いい加減に・・・」
「見ず知らずの赤の他人を信じろという方が無理な話だろうが助けてあげるよ俺がなんとかしてやるから・・・だから・・・」
「さっさと返事をしてくれる?」
「この、もういい!!ヒートズこの男の首をはねなさい!!」
「キヒヒ分かった。」
ヒートズと呼ばれた斧を使う男は虛に近づく
「・・・・・・・・・・」
「どうしました?恐怖でしゃべれな・・・」
「何回いったら分かるの黙れ。今俺は返事を待っているんだから。」
「この・・・いいかげ・・・」
「それはさっき聞いた。はぁ・・・語彙が少ないんなら無理してしゃべるな一発キャラ。」
「・・・・・もういい。こいつ殺せ。」
「キヒヒ分かった。」
ヒートズは斧を振りかぶる
その瞬間虛の目は確かに捉えたのだ
「・・・死ね。」
《助けて》と少女の唇が動いたのを
そして・・・
「了解だ。オヒメサマ。」
斧が降り下ろされる
虛の首ははねずに
「んな!?」
「キヒヒ?なんだ?」
男たちは驚く
それもそのはずだ
虛の【魔法】を理解していない者にはただ虛が消えたぐらいにしか考えないだろう
そしてその虛は
「まったくもっと早めに言えよなぁ。」
「「はっ!!?」」
堂々と隠れることなく
男たちのすぐ目の前に立っていた
「なっなんで?」
「キヒヒ?何が起こった?」
そして虛は呟く自分の【魔法】の名前を
「【陽炎日記】発動。」