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立小川俊樹。ランダムに選ばれた中卒の男。そして、私のために犠牲になった存在。
「ごめんね?お兄ちゃん」
ひっくり返ったスプーンも、毒入りプリンも、そして遺体となった存在すらもインベントリに収納する。インベントリって、こういう時に便利だよね。死体をそのまま永久保存できる!思わず笑いが漏れてしまう。
もう彼はヒトでもなく、モノ以下になってしまったのだから。
わざわざふたりで学校に通うなんて面倒なことしないだろう。この家にふたりで暮らすわけもないだろう。見ず知らずの存在なんだし。それに……
「これで私も純種だ」
私の魔法の一つである『念じた相手を同じ姿に変える魔法』を二回使ったのだ。つまり、二度目は見た目がカエルイモムシで中身が純種である立小川俊樹と同じ姿に存在から変える魔法でもあるのだ。純種の元である立小川俊樹はとんでもなく高く売れるだろうからしっかり保存しておくにして、これで私も純種の血が流れている特異的な存在となったということになる。
ああ!夢みたいだ!いままで血の割合が何度測っても50対50だった自分が、まさか100になる日が来るなんて!
「案外馬鹿なヒトだったなあ」
ヒトはかしこいなんて思っていたけれど、ただのお人好しのバカじゃないか。
「これで、あいつらを見返せる」
私をいじめてきたやつらを。血の割合が50対50であることが最底辺なこの現状から、抜け出せる!
「今に見てろよ、大金持ちになってギャフンと言わせてやるんだからな」
ああ、人生ってやっぱり数字が大事みたいです。




