きしかいせい
そう考えるとつじつまが合う。
しりとりマチコとは、プレイヤーをマチコに変えるゲームかもしれない。
いわば、マチコとはアカウントのような概念なのだ。
マチコと同じ精神性になったとき、それはもうマチコと区別のつかない怪異だ。
だから、長く続いたトークグループは、突然終わるのだ。
自分自身とはしりとりができないものな……
考えれば考えるほど、鳥肌が立つ。
駄目だ。一刻も早く脱出しなくては。
都市伝説は好きだし、非日常は欲していたけど、怪異になりたいわけじゃない。
だが、どうする?
向こうにこちらのワードのものが送られているなら、攻撃できるかもしれないとは考えたが、おそらく効果はないだろう。
物資を集めるラリーの流れで、『マムシ』だとか『白熊』は、ぼくも使っていた。
それでも何も変わっていない以上、マチコは物理では倒せない相手だと考えるのが自然だ。
……どうする?
やはり、わざと負けるしかないか?
それで満足してくれるだろうか。
まだ、他に試すべきことはないか?
だが、物資獲得ラリーの中で『出口』に類する言葉も出て来なかった。
それを引き出すためにラリーを続けるのも危険な気がする。
何か――
怪異だろうが効くもの――
いま、マチコの『すいとう』で終わっている。
ならば、狙うのは――
『羽化』
『かじ』
しまった……!
周囲に急に炎が上がる。
『火事』か!
幼女の語彙なら、想像できる範囲だった……!
ダチョウの悲鳴が聞こえた気がしたが、そんなことを気にしている場合じゃない。
急がないと蒸し焼きだ。
だが、狙った語尾ではある。
これはチャンスだ。
ぼくが狙っていたのは『かんじ』だったのだ。
あっという間に車内はサウナのように高熱になってしまった。
かといって飛び出したところで、焼け死ぬのは目に見えている。
だが、狙った語尾ではある。
一か八かだが、あの言葉に賭けるしかない!
ぼくは非日常が欲しかったが、だからって、こんなところで死にたいわけじゃないのだ!
やるしかない!
――これでどうだ!
『じょうぶつ』
くしゃみがこちらに状態を強制してきたなら、そっちにだって強制できるんじゃないか?
そして、マチコが怪異だというなら――
頼む、効いてくれ……!
頼む……!
頼む――
瞬間、世界が白い光に包まれた。
その一瞬、マチコの返答が見え――




