表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/96

プロローグ『英雄は、再び目覚める──現代という戦場で』

登場人物設定

※主人公※

■ 高野 たかの・りく

年齢:33歳

職業:商社の中堅社員

性格:真面目、空気読むタイプだが異世界経験で芯が通る

特徴:異世界で最強クラスのスキル《時制操作》を持ち帰ったが、現代社会ではうまく使えない

気がつけば、俺は空の下にいた。


剣の重さも、血の臭いも、仲間の声も──すべてが、遠ざかっていく。

倒れた魔王の巨体が崩れ、辺りに静寂が戻る。


「これで……終わったんだな」


5年。

この異世界で過ごした時間は、現実よりも、ずっと濃かった。

戦い、失い、助け合って、そして……生き抜いた。


「よくぞここまで辿り着いた、勇者よ」


振り向けば、光の中に“あの神”が立っていた。

俺をこの世界に導いた存在──名も知らぬ神。


「褒美として、お前に選択を与えよう。

 この世界に留まるか、それとも……元いた世界へ帰るか」


俺は迷わなかった。

リリィの顔が浮かんだ。

ゴルドの叫び、ミリアの祈り。

……だけど、それでも、俺にはやり残したことがあった。


「……帰らせてくれ。今度こそ、自分の人生をやり直したいんだ」


神は微笑み、静かに手をかざす。


「よかろう。だが、一つだけ忠告しておく」


「……?」


「お前の魂は変わった。

 そして、お前の力も……まだ、お前の中にある」


視界が白く染まる。

体が浮かび上がる感覚。

鼓動が、現実のリズムを取り戻していく。


「──行け。

 今度は、お前自身の手で、お前の世界を救え」


……次に目を開けたとき、そこには天井があった。

白い蛍光灯。見慣れた石膏ボード。会社の寮の天井だった。


枕元のスマホが「7:32」を示していた。


俺はゆっくりと起き上がり、鏡の前に立つ。

そこには、異世界で鍛え上げられたままの──一人の男の姿が映っていた。


「……まさか、本当に帰ってこられるとはな」


スーツに袖を通す。ネクタイを締める。


そして──今日、俺は出社する。


異世界で魔王を討った英雄は、今──

再び現実世界という人生に挑むのだった。

異世界の英雄が現実世界に降り立つ。異世界逆輸入もの今後の展開をお楽しみに!

感想や評価もお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ