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第一話

「知らない天井だ⋯。」

目の前に広がる白波の立っている空の海、鼻を満たす雑草と甘い菓子の香り、耳に響く風の音。

拝啓、顔も名前も覚えていない御父様、御母様。

私はもしかしなくとも見知らぬ世界に来てしまったようです。


見知らぬ世界で私は目を覚ました。名前は覚えていない。今ここがどこかも分からない。服は来ている。パンツも⋯履いているな。あとなにとは言わないが「息子」は生えている。

「あーあーあーららーららー」

声も出せる。しっかり立てる、歩ける、倒立⋯はできないな。体は倒立失敗して地面とぶつかったところ以外は痛くない。服を着ていることや名前とは何か分かっているところから知識の類は残っていると考えていいのか?

「よし、」

現状の確認はこれくらいでいいか。だが、

「詰んでないかこれ。」

見知らぬ土地で、名前も分からない身元不明な不審者で、周りに人影はなく、人がいたとしても言語が通じるかわからない。

考えれば考えるほどやべぇとしか思えなくなってくる恐怖。これからどうすればいいかと考えて現状を認識してどうすればいいかと考える思考の現状維持。思考が一歩進んで一歩下がる。何を考えてもずっと原点に戻ってくる。オワッテル。

「よし。」

こういうどうあがいても何も思い浮かばないときは現実逃避して思考を止めて周りを散策することに限る。


あたりをぐるぐると回ってわかったことはお菓子が普通に生えている。(割と美味)植物が話しかけてくる。(ガチでビビって逃げた)クラゲが群れで空を泳いでいる。(目ん玉飛び出るかと思った)大きい鯨と巨大な蛸とデケェ烏賊が空の海で殺し合っている。(見たときまじでビビった)

認識することはできるが理解はできない。そんなことが起こりまくっている。私の記憶喪失がバカバカしくなってくるレベルで理解のできないバカみたいなことが平然と、さも当たり前かのように起きている。いや、この世界では当たり前のことなのだろうが。


これからどうしよう定期。

周りの状況もだいたい分かった。自分の状況もだいたい分かっている。だが、この非常識が常識として横行しているこの世界でどう動くのが正解か全くもってわからない。

「わからないときはっと」

枝か何かが倒れた方向に進む。そうすれば多分絶対おそらく知能のある生命体のいる場所にたどり着ける。

枝が倒れたのは、私から見て右。右には深い森が広がっている。


少し暗くて怖いが千里の道も一歩から。

これから私は何に出会い、何を経験するのか。それは、未来の私にしか分からない。だから来る未来を楽しみに足を進めるとしよう

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