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立ち上がって、歩く  作者: 葦家 ゆかり
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片まひのおじいさん 2

「お小遣いもくれないしよお。娘が孫を連れて遊びに来たときはいーっぱいお金渡すのに」


「そうなんですね。柴田さんはお小遣いで何が欲しいんですか?」


「え? うーーん、本かなあ。時代小説」


「時代小説が好きなんですか。確かに本だって1冊2千円近くしますからね。結構高いですよね」


「いや、ブックオフでいいんだけどよお」


「そうなんですか。ブックオフなら安いですよね」


「うん。文庫だと1冊百円とかだろお」


「百円の本でいいんですか? 柴田さんって、すごく謙虚なんですね」私が笑った。


「昔はきれいなお姉ちゃんのいる店でお金使ったこともあったけどよお」


「はいはい。男の人は好きですもんね」


「この身体になっちゃあ、もう行こうったって行けねえなあ。わっはっは」


麻痺のある体を動かし終わると、ベッドから起きて一緒に階段を昇りに行き、1階から2階まで行って戻ってきた。


彼は一人で歩けるので、リハビリではより難しい階段昇降などの練習をしている。


こんな調子で午前中にデイサービスで来る患者を毎日3~5人ほどリハビリする。そして午前中のリハビリの記録を書き、簡単なミーティングを経て昼休みとなった。


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