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立ち上がって、歩く  作者: 葦家 ゆかり
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デイサービスへ

体操をひと通り終えるとこちらも少し汗をかく。


患者たちはひと休みしたら、室内の手すりをつかまって立ち上がる練習をする。


車いすから立ち上がれなくなってしまうと、いよいよトイレなどにも移れずオムツ生活となってしまうのでこの訓練は重要だ。


それが終わるとまたひと休みして、血圧の高い患者は血圧を測ったり、めまいのある患者に声をかけたりする。そして最後に歩行練習だ。これは転倒のリスクがあるので、スタッフがひとりひとり患者に付き添って行う。


平行棒という平行に並んだ2本の手すりの間を歩いたり、歩行器や杖を使って歩く。どの道具を使うかは事前にリハビリスタッフが評価をして決めている。


杖だとバランスを崩してしまうという患者には車輪付きの歩行器を使ってもらい、スタスタと歩けるがスピードがつきすぎて自分で制御できないという患者には車輪のつかない歩行器や杖が適している。片麻痺(脳卒中により脳の一部分が壊死し、身体の半分が動かしづらくなること)の患者はそもそも片手が使えないので両手でつかむ歩行器は使えない。


手すりか杖歩行となる。杖にも1本杖と、先が広く4点で地面を支えられる、より安定した四点杖というものがあり、どれを使うかもまた評価が必要だ。



歩行練習が済むと、まだ余力のある人にはパズルなどの認知課題をしてもらい、もう疲れたという人は居室まで送っていく。


これで団体のリハビリは終了だ。


そのころには1階のリハビリ室の隣にある広間に、デイサービスの利用者が集まってくる。


デイサービスは家で家族などと暮らしている高齢者が朝から昼の3時まで滞在する日帰り施設で、昼食、リハビリ、レクリエーション、風呂などのサービスを提供する。高齢者が施設に来ている間、家族が介護を離れひと休みできるというわけだ。



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