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立ち上がって、歩く  作者: 葦家 ゆかり
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砂糖一袋分の重りで

「次は、座ったまま膝を伸ばします。太ももの前にある筋肉のトレーニングです。これも二十まで。せーの! いーち、にーい、さーん……」



こんな調子で足の筋力トレーニングをいくつか行い、重りを外した。


「あー、重たかったわあ。これ何キロあるの?」


重りを外していると相川さんに声をかけられた。軽い認知症のある八十代の女性だ。体操をすると毎回このセリフを言われる。


「これは1キロです。お砂糖一袋分ですね」


私もいつも同じ調子で答える。


「ふーん、砂糖一袋かあ……」


彼女が砂糖に思いを巡らせている間にすべての重りを回収し、次は五十センチくらいの長さの軽くて細い棒を渡した。


「次はこの棒を両手で持ちます。肩幅で持ってくださいね。両手をグーッと一番上まで上げますよ! 肩の運動と、背中も伸びます。ゆっくり体を伸ばしましょうね。これは十まで。いきますよー! はいせーの、いーーーち、にーーーい、さーーーん……」


「次は棒を前に突き出し、身体を左右にひねります。せーの!」


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