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立ち上がって、歩く  作者: 葦家 ゆかり
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ヒトデのパスタ

「仕事はどうなの? 早子は」私が聞いた。彼女は水族館で働いている。


「相変わらずだよ。掃除して、生き物たちに餌やって、健康チェックとかして」


「なんか、楽しそうだよね。子供のころからやりたかったんでしょ、水族館の仕事。いいなあ、やりがいをもって毎日働いて。なんだか早子の人生は私と違って順調に見えるな」私がぼやいた。


「そんなことないよ。大変な割に給料は安いしさ。元気出してよ歩実、今度私が、ヒトデの特製パスタでも作ってあげる。頭の中で星がはじけるほどおいしいよ」


「えっ、ヒトデって食べられるの?」私が驚いて聞いた。


「うん、これは水族館で働いてる人しか知らない極秘情報なんだけどね、ヒトデってそのままだと固いけどじーっくり煮込んでるうちに柔らかくなってさあ……」


「味は?」私が興味津々で聞くと、彼女は困った顔をして

「味は……ごめん、そこまで設定を考えてなかったわ」と言った。


「ちょっと!」


「ごめんごめん、こんなにすぐ信じると思ってなくって」


「ひどい。私もまさかと思ったけどさ、クラゲとかイルカとかクジラの切り身がスーパーで売ってたりもするし、カニだって固い甲羅の中においしい身が詰まってるし。もしかしてヒトデも中はやわらかくて食べられるのかなと」


「うん、イルカとか売ってるよね。私はかわいそうで食べられないけどさ。もしかしたらヒトデも食べてる国とかあるかもね」彼女が笑った。


「ほんと? 今度調べてみようかな」



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