1話
「本日をもちまして、パーティ"ロードスター"から追放とさせていただきます。追放手当、前回報酬につきましてはご口座の方に既に入金してあります。何かご質問等ありましたら、私にお申し付けください」
いつものように冒険者ギルドに向かおうとしたところで、近頃、噂になっている追放代行人なる者が私に会いに来ていた。
「特にないです。ありがとうございます」
「いえいえ、仕事ですので」
謎のお礼を伝えた後、私はひとまず、部屋へと戻った。
追放に対して少し思う所があったが、どうやら、これは追放されたことでは無く、追放のされ方に対しての気がする。
まさか、私も代行人による追放をされるとは夢にも思っていなかった。
ついこの間、1週間ほど前に仲間と酒場に行った時、ベロベロに酔っ払った同業者と出会い、話を聞いた。
「いや、聞いてくれよ。俺は追放されちまってよー、それもひでぇーんだぜ。代わりの見ず知らずのやつが来て、追放です。その一言だぜ。飲まずにやってられっか」
私も私の仲間も、それは酷いなって言っていたのに。
「はぁー。次の仕事何しよっかな」
今日の予定も無くなったところで、私は既に次のことを考えていた。
パーティからの追放。聞こえの悪い言葉ではあるが、そう珍しいことでは無い。追放という名前であるだけであり、他で言うところの解雇である。
彼女自身、他メンバーと比べ、冒険者としての能力も低く、目標もハッキリしていなかったため、そのことに悩み、追放されそうとは思っていた。
今、思えば、わたし冒険者って合っていなかった気がするんだよね。でも、前は冒険者ぐらいしか働けるところを知らなかっただけであって、今は知ってるから、選べる。
「みたいな事があったんですけど、マスターどう思います?
私は何すればいいんですかね?」
「なるほど。それで今は何もせず飲んだ暮れているわけね」
「人生の休暇中ですー」
この街で唯一の友達と言っても過言では無い酒場のオーナー兼マスターであるセレナの所に私は毎日のように来ていた。
「ここで働いてみる?」
「え、お酒作れないんですけど」
「そうよねぇ。」
「あっ! ここで私みたいに人生の休暇を取ってる人にお仕事を勧めるっていうのはどうですかね?私は冒険者だったから色んな職業知ってますし」
そこから、トントン拍子に話が進み、私は職業案内人となった。
値段はカクテル一杯分。あなたに合った職業を紹介します。




