9.それは魂の
「もしかして…魂のつながり……?」
この話には、心当たりがあった。
子どもの頃一度は必ず聞くであろう、おとぎ話の一つだ。
主人公は、自分だけの宝物を見つけに旅に出る。
人には魂のつながり合う人が一人いて、
誰でも必ずつながっている。
魂の繋がりの声を聞いて、
主人公は人生を歩んでいく。そんなお話だった様に思う。
子どもの頃、妙にこの話が好きだった。
あまり理解はできていなかったかもしれないけれど、
こんな繋がりがあればいいなと、なんとなく思っていた。
「実在するとは…。」
だって、それはただのおとぎ話なのだ。
空想のお話だと思っていた。
「ボクもずっと、あなたと同じような思いを抱えてきました。
自分を分かってもらえない。
なんでボクばっかりって。
でも、夢に出てくるあなたが、
いつも話を聞いてくれました。
いつも…寄り添ってくれました。」
…そうだ。夢だ。
私は夢で、誰かと会っていた。
心の中に、ずっと誰かがいた。
その子は、ただの思い出か何かかなとか、
空想かなと思っていたけど、
そうじゃなかったんだ。
ずっと…本当に、いたんだ。
「覚えてる…知ってる…
あなたをーーー。」
「断片的に、あなたの記憶や気持ちが、
ボクに流れ込んできていました。
みている景色、聞こえる声、
感じたこと。
ある日、あなたのお父さんに会えて、直感的にわかりました。
本当に実在するんだ。
あなたに会えるんだと。
そのお話をお父さんにしたら喜んでくれて、
あなたに会えることにはなったのですが…
結果的にあなたの気持ちを踏みにじってしまいました。
これまで挨拶もできず、
本当に申し訳ありませんでした。」
私の目をじっと見て言う。
また、深々と頭を下げる。
彼は、謝ってばっかりだ。
挨拶ができなかったのは、
私が無視をしていたから。
声をかけられなかったのは、私がイライラして無表情だったからだ。
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