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時の間と繋がりと。  作者: じゃっきー
第一章:私とボクとの出会い
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6.夕食の席で

次の日。

相変わらず私はイライラしていた。


彼が突然家に来てから、もう1ヶ月ほどが経とうとしていた。


この1ヶ月、ずっと無視し続けてきたんだ。

どんな顔をして会えばいいのか、何を話せばいいのか。

彼はどんな反応をしてくるのか。家族は…。


全てが憂鬱だった。

早く終わってくれ。

いろいろな考えが頭の中でぐるぐる回りすぎて、

結局無表情になる。


これじゃこの1ヶ月間と同じだけど、

自分の気持ちが、表情を繕うところまで追いつかないのだ。


無難な服を着て、夕飯を待つ。

なんだか今日は、仕事も手につかなかった。




夕方になり、父が帰ってくる。

彼も一緒だ。一応、玄関で出迎える。


彼は私を見て笑顔になる。


何か言いたげだったが、

無表情の私が「どうも」と告げてスタスタ行ってしまったので、

何も言わなかった。


彼と私はテーブルのはすかいに配置された。

これまで顔を合わせなかった私への気配りだろう。


これがいきなり連れてきたのが結婚相手じゃなければ、

私だって名前や趣味を聞いたり、形式ばった挨拶ぐらいできた。

だけど、今いる相手は違うのだ。


私の気持ちを踏み躙り、家族との関係も変な感じになったのは、

彼がきたからなのだ。


いろいろ考えるとまた腹が立ってきて、無表情でご飯を食べる。

今日は私の大好物の唐揚げだ。


でもそんなのは知らない。

夕食の空気がお通夜状態になっても構わない。


私は一緒に過ごしてご飯を食べるという約束は守ったのだから。

………まだ話してはいないけど。



一向に話さず黙々唐揚げを食べる私を見て、

喋りまくる父と母。


なんなんだこの空間は。


「唐揚げ、いっぱい食べてね。

この子の大好物なの!」母が彼に言う。


やっと彼と私が対面したことが、

よほど嬉しかったようだ。


父が彼に話す。父はすでに結構お酒を飲んでいるようだ。

「最近仕事の方はどうなんだ、

ボランティアも続けているんだろう。」


「仕事は、楽しいです。

最近は部下もできて張り合いが出てきました。


ボランティアも楽しいですよ。

週に1回程度ですが、息抜きになっています。」


……初めて聞いた彼の声は、

低くて落ち着きのある声だった。


この間駅で見かけたのは、そのボランティアをしているところだったのだろう。

確かに、楽しそうだった。


だけど…

だからって、私の心には入ってこない。


へーすごいなってくらいに、他人事でしかないのだ。


お読みいただいて、ありがとうございます!

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