5.まったり空間
3軒ほど内覧を済ます。
その中に一軒、とてもイメージにピッタリの家があった。
なんと一軒家。
古いお家だけど、リビングが広くて窓が大きい。
仕事場も十分取れるし、気に入ったのは小さなお庭があること。
縁側もある。
このまったり空間…!!
近所にスーパーやコンビニもあるし治安もいい。
駅からはちょっと遠いけど、十分だよね。
なんでこんな家いい家が見つかったんだろう??
しかも賃貸で。使わない部屋もいくつかあるけど、
余る分にはいいよね。
ちょっと予算オーバーだけど、
ここに契約することに決めた。
そうとなれば、家族にも伝えなきゃな。
◇
帰宅後、ちょうど父も母も家に居たので伝えることにした。
「私、家を出るから。
仕事ももっと広げていきたいしね。」
なんとなく、もっともらしい理由をつけて話す。
これ以上詮索しないでくれ!!という思いを込めて。
どうか、私の日常を邪魔しないで…
「なぁ、彼と一度、話してみるのはどうだろう。
いきなり連れてきたのは悪かった。この通りだ。」
父が私に謝ってくる。
今更、遅いよ。
そりゃあ許したい気持ちもあるし、
少し彼のことが気にもなってきている。
だけど、私の気持ちの行き場がないのだ。
今更どの面を下げて彼と会えというのだろう。
「そうよ、とってもいい子なのよ。
きっと気にいるわ。」
母がそう続ける。
いや、もういいよ…
私が黙っていると、
「よし!決まり!
明日はあなたの大好物を食べて、パーティーにしましょう!!」
母の大きな声とともに、
憂鬱なイベントが決まってしまったのだった。
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