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21.一心不乱に唐揚げを
「私の気持ちを無視して!!」そう言って、
彼女は部屋から荷物を取って、
家を出てしまう。
自転車でどこかに行くようだ。
「追いかけます!」
そう言って外に出たものの、
彼女は自転車で行ってしまい、姿がもう小さくなっている。
走って追いつくだろうか。
いや、そんなことを考えている場合じゃない。
追いかけないと!!
走り出そうとすると、
肩に手を置かれる。
ボクを引き止めた声の主は、
彼女の弟だった。
今まで空気だったが、
そう言えばずっと唐揚げを美味しそうに食べていた。
イライラした彼女とオロオロするボク。
喋りまくる両親を横目に一心不乱に。
手には鍵を持っていた。
「これ、使ってよ。
姉ちゃんは多分、河川敷だから。」
河川敷…
そうだ。夢の中でボクも河川敷にいた。
そこに一緒にいたんだ。
「ありがとう」
ボクは自転車を漕ぎ出した。
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