表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時の間と繋がりと。  作者: じゃっきー
第一章:私とボクとの出会い
10/40

10.ずっと待っていた

分かってもらえない。

話を聞いてもらえない。


そう思っていたのは、彼も同じだった。

だからこそ、無理に私の部屋のドアを開けることはしなかったんだ。

待っててくれたんだ。


私のこと、分かってくれてた。

ずっと、寄り添ってくれてた…。



彼は深々と頭を下げたまま、固まっている。


魂のつながりだからって、私が考えたことが、

そのままテレパシーとなって飛んでいっているわけではないらしい。


現に今、彼が何を考えているのか、

私にはさっぱり分からない。



「……隣、どうぞ。」



腰をかけるように促す。


何を考えているのかは分からないけど、

彼を信頼できるような気がした。


彼は安心したように笑い、

隣に腰をかける。



ふと思い立ち、近くの自動販売機で缶コーヒーを買う。

いつもの缶コーヒーだ。


もちろん、彼の分も。


「このコーヒー、やっぱり美味しいよね。」


彼がコーヒーを飲みながら笑う。

もう、何を買うか分かっていたみたい。



缶コーヒーを飲みながら川辺に座る。


特に何を話すわけでもない。

でも、この空間が気持ちよかった。


少しずつ心に風が入ってくるような気がした。

イライラした気持ちが、スッと消えていった。





…もう3時間くらい経っただろうか。

長いような短いような、そんな時間を楽しんでいた。


あれから彼とは一言も話していないが。

夜が更けていた。


そっと立ち上がる。



「家まで送りますよ。」と、彼が言う。



私の自転車の横に、もう一台自転車が止まっていた。

弟の自転車だ。あいつ、やるな。


ゆっくりと自転車を漕いで帰る。


なんだか、世界が少し違って見えた。

広がった様な気がした。悪い気はしない。



帰ったら、両親が出迎えてくれた。

起きて待ってくれていたのだろう。

何も、聞かれなかった。


「では、ボクは帰りますね。」


挨拶もそこそこに、彼は帰って行った。

少し寂しさを感じた。



だけど。



心の奥で、ちゃんとパイプで繋がっている様な感じがした。


安心して、心地の良い気持ちの中で、

眠りについたのだった。


お読みいただいて、ありがとうございます!


次回、第一章エピローグです。

毎日19時に投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ