表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時の間と繋がりと。  作者: じゃっきー
第一章:私とボクとの出会い
1/40

1.突然の訪問

ある日、父が結婚相手を連れてきた。

妙に、うちの家族みんなと仲がいい…。


いつの間に!?

母も弟も、なぜか彼を気に入っていて、すでに面識があるようだ。


父が上機嫌に私に声をかける。

「紹介するよ。こちらは…」


バン!!!と私は言葉をさえぎって、

机を叩いた。


何よいきなり。

私の気持ちを無視して、勝手に話を進めないでよ。

気分が悪い。


「私は知らないから!!」

そう大声をあげて、部屋にこもった。


とてもイライラする。

こんな気分になったのは初めてだった。

家族に大声を上げたことなんてなかった。


最近はすぐにイライラするし、不安な気持ちになる。


思い返せば、子供の頃がそうだった。



私を分かってもらえない。

話をきいてよ。

なんで私ばっかり…。

私は、ここにいるよ!!!!


そんなことを思って、

伝えても伝えても、伝わらないような気がして、

分かってもらえなくて、気持ちに蓋をしたんだーー。


もう私も大人だ。

成長するにつれて、相手に合わすことを学んだ。

相手を尊重することを選んだ。


自分の気持ちや思いを見せることは、ない。


そして仕事を始めた。

相手の困りごとを解決する仕事。


この仕事は気楽でいい。

自分ができることで、誰かの役に立てる。

感謝までされるんだから、やってて楽しいし、やりがいがある。


家族と一緒に住んでいるのも気楽だから。

幸い家族の中はよく、それぞれに好きなものがあって、それを共有する。


家族団欒。

この時間が心地よかった。


家族との時間があったから、

自分の話をしなくても、自分の居場所があるって思えて、

ここまで楽しく暮らせて来れたんだ。


それがいきなり、結婚相手だなんて。

しかも、私に断りもなく連れてくるなんて。


そんなの知らない。


昔は親が連れてきた相手と、相手の顔も知らないまま結婚するようなことがあったって聞くけど、

今はそんな時代じゃないよ。


なんで私のことを思ってくれないの??相談してくれないの??

なんで勝手に進めるの??



私は部屋にこもった。

幸い、仕事はパソコンとインターネットがあればできる。


部屋の外から、何かが聞こえる。

最初は私に向かって声をかけていたようだけど、

私に声が届かないと気づくと諦めたようだ。


彼に向かって、

「ごめんなさいねー」なんて会話しているのがうっすらと聞こえる。

なんだよ。


ごめんなさいを言うなら、私に対してでしょうが!!

なんて。


なんで私はこんなにイライラしているんだろう。

今までこんなに怒ったことは、ない気がする。


とにかく腹が立って、許せなくて。

現実を見るのが嫌で、私は溜まっていた仕事を片付ける。

困ったことを片付ける。


愛想は元々悪い方じゃない。

なんてったって、相手に合わすことを、

喜ばれることを、嫌われないことをやってきたんだから。


しばらくすると、部屋が静かになった。

彼は帰ったのだろうか。


なんだか気持ちが落ち着かなくて、

そのまま眠りについた。


このイライラした気持ちが、落ち着きますように。


お読みいただいて、ありがとうございました!

毎日19時に投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ