僕の人生
僕は、初めてこの地に立った。
東京というコンクリートの中に夢が詰まっているといわれるこの場所。
眠らない街。
そして、猛者達が全国から集まる街
田舎者の自分にとって、
人が多い事は、なかなか慣れるものでは無かった。
電車の本数は、1時間に1本じゃない。
凄い。
こんな街に僕は、住めるんだ。
そう今日は、部屋を決めるためにこの場所に来たのだ。
僕は、ふと空を見上げた。
見上げた先は、タワーマンションの最上階
僕は、将来あそこに住んでみたい。
そう新たな夢を見つけた。
「タワーマンションの最上階に住む。」
これは、今はとても難しいかもしれないけど、できない事じゃない。
だって、現に住んでる人がいるのだから。
何事も前向きなのは、僕の良いところだ。
某有名会社に行き、部屋を見せてもらった。
2、3件部屋を見せて貰って、僕は、住む場所を決めた。
都内からは、少し離れた築30年の
1Kユニットバスだけど、家賃が3万円という安さの物件だった。
話を聞くと、どうやらここは、大家さんが、
夢を叶える応援をしたいという事でとても安く料金を設定してくれたらしい。
僕の他に4人別の部屋に住んでいて、
みんなそれぞれの「夢」の為に日々努力しているとの事だった。
もし、朝とか会える機会があったら声かけてみようかなぁと少し思ったりもする。
「ここに決めます!」
僕の夢物語が1歩、1歩、進んでいく足跡が少しずつ聞こえてきた。
ここから始まるんだ。
話し合いの結果、入居は、来月から。
今は、2月だから4月には、間に合う計算だ。
入居費も、ある程度安くしてもらった。
それは、非常に助かる。
なんせ、そのお金も自分が出だすのだから。
今まで少しずつ貯金しといて良かったと
誘惑に負けずに貯めた自分を今は、盛大に
褒めてあげよう。ありがとう。
これで準備が出来た。
後は、書類に名前をもらうだけ。
それだけ、僕の物語は、始まる。
ドキドキと、ワクワクしかない。
だって、これからは、好きな事をいっぱい学べるのだから。
同じ夢を追う人達と多く話をできるのだから。
さて、実家に帰ろうか。
ホントなら、東京に来たのだから色んなところを見たかったけど、
このご時世だ。
自分が、原因で家族がガタガタになってもとても困る。
それは、4月からの楽しみにしておこう。
真っ直ぐ家に帰る電車の中
見える景色が、何故かいつもと違った。
徐々にビルが消えていく。
明かりが消えていく。
そして、田んぼと民家が広がっていく。
もう、この景色を見なくて済むんだ。
うん?何だこの感情。
初めて感情だった。
気持ちだけは、東京に行っているのかなぁ
まぁ、いいけど。
少しずつ変わっている僕の気持ちが、
今の僕は、気づいていなかった。
そう、思いというなの水が溢れている
ことも知らずに。