子供というのは小さいと思っていたらいつの間にか大きくなっている
「あららららら」
謎の液体を飲んだ有栖はみるみる体が小さくなっていきました。
24センチ、学生です。
そしてなぜか、服も一緒に小さくなっていることに驚きます。
ということは彼女の命であるスマホも無事です。
スマホの小型化という次世代のトンデモ技術の開発に成功した訳ですが、そんなことは有栖の頭にありません。
「やったわね!これで扉が開けれるわ!」
彼女の頭に今あるのはただウサギと不思議の国のことだけです。
今の彼女自身がが撮れ高Sランクに匹敵することを完全に見落としていることは言うまでもないでしょう。
「オープン・ザ・ドア!」
そう言い、彼女は小さくなった体で小さな扉を開けます。
扉を開けるとそこには木で作られた大きな扉がありました。
扉は大きく、ドアノブに手が届きません。
しかし、彼女はもう次の段取りを把握してます。
すぐに解決することでしょう。
「あったわ、これね!eat meって書いてあるわね、私を食べてってことよね!」
そこには。
胸の大きい女性が裸でプレゼント用の紐、確かカーリングリボンと言ったでしょうか。
それを体に巻きつけ、口にはeat meと書いてあるメモ紙を加えた金髪の女性がベットの上にいました。
その姿は妖艶さがとても際立っていて、男性であれば即座に襲いかかっていた事でしょう。
「どうやって食べるのかしら」
それは有栖がもし男性だったのであればの話です。
有栖は女の子なのです。
同性愛者でもない彼女はこの「eat me」という言葉に真剣にに悩み始めます。
「うーん」
悩んだら少しおかしなことに気づきました。
「(この女性は私と同じあの液体を飲んで小さくなっているはず........なら、彼女は大きくなる手段も持っているかもしれないわ!)」
そう考えた有栖は行動に出ます。
彼女はベットの上で裸なわけですから物を隠せられません。
しかし、男の子ならわかると思いますが大事なものならベットの下に隠すのはもはや鉄板。
有栖はベットの下を弄ります。
「あったわ!」
そこには「eat me」と書いてあるモンブランがありました。
焦って止めにかかろうとするベットの上の変態は自分で巻いたカーリングリボンのせいで動くことができません。
完全に自業自得です。
「悪いわね、撮れ高Sランクのためなのよ!」
そう言って彼女はモンブランをむしゃぶりつきました。
「あららららら」
そうすると、なんということでしょう。
彼女の体はみるみる大きくなっていくのがわかります。
隣にいる変態がみるみる小さくなって見えるのです。
「申し訳ないわね!あなたも撮ってあげるわ!」
罪悪感など彼女には微塵も存在しなかったが、ほんのすこーし、せめてもの情けのために今や小さくなった変態をパシャりと撮影し、その手も乾かぬうちに元の大きさになった体で扉を開けます。
「(この扉の向こうには不思議の国が待っているんだわ!)」
そんな期待を持ちながら開けるのでした。
「この少女、少しは変態女に戦慄を覚えてもいいんじゃないの?」
◯彼女の頭の中はパッパラパーなもので。
「あなたと同じじゃない」
◯作者いじりは死にますやめてください。