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第6話『墜落炎上』-4
背後から響く断末魔の叫び。
「なんでだよ、なんで発動しないんだよおおおー!」
ヨルコをお姫様だっこしたまま、ラッカを振り返る。
「あいつには、こんな最期がお似合いだ」
「置いていかないでくれ、助けてくれよおおおー!」
墜落と爆発。
背中で三本目の血の槍が吹き上がる。
俺たちは危険な武器を拾って浮かれているバカと一緒だ。
凶器の射程距離も知らず、残弾も見ず、故障したらどうなるのかも理解しないまま、何も知らずにこの武器を使っている。
何も理解せずにこのデバイスの画面を叩いて強くなったと勘違いしている。
これがラッカの言う通りのクソゲーか。駆け引きしだいで逆転できる神ゲーか。
それともエンディングが用意されていない悪魔ゲーか。
『残りデバイサー、三十二』




