表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デバイス/デバイサー  作者: 清水雪灯
デバイス/デバイサー
34/51

第5話『他校遭遇』-6

 デバイスの機能きのう停止で、ゆるキャラも消滅していた。

 誰よりも最前線で爆破の直撃をびたゼンだけが、かなりの全身おおヤケドだった。

「回復、たのむ」

 倒れたまま動かないゼン。

「ヨルコ、なおしてやってくれ」

「なに言ってんの、レンガ。ここでヒール使ったら、また……」

「一時間リキャストだろ。分かってる。でもこのままじゃ、こいつが死んじまう」

「んもう……」

 不満そうに口をとがらせ、しぶしぶアプリを発動させる。

「このあと、もっとヤバイ相手が出てきたらどうするの」

「大丈夫、ヨルコとアサヒがいれば負けないさ」

「もー、さらっとそういうこと言うんだから」

 ヨルコの言いたいことは理解している。回復なしで次のバトルを乗り切らなくちゃいけない。

「回復系アプリ……そんなものまであったのかね」

 苦しそうにせき込んでいた先生が、興味ぶかそうに目をほそめる。

「これでらくになるだろ。しばらくつらいのは勘弁かんべんな」

 後ろの二人も多少はげていたが、ゼンほどひどいヤケドではない。スイカおっぱいも無事ぶじだった。

「レンガ君、それより肩」

 さっき刀で刺された傷。言われてみると、すげー痛い。

「回復タイプはないんだけどね、ちょっと便利な<包帯>アプリ!」

 お手軽てがるに出現した包帯でクルクルと俺の傷口きずぐちを巻いていくアサヒ。

「お前、いつからこんな器用きようになった?」

「うえ、ま、前からだよー」

 気のせいか、セリフがぼう読みだった。

「こんな勝ちかたもあったのか……」

 仰向あおむけに倒れたまま、うっすらと目をけるゼン。

 ヒールを浴びてかろうじて意識を取り戻したらしい。力なくつぶやく。

「このデスゲーム……ボクたちは相手を殺すものだと思っていた」

 デバイスを破壊され、もうあらそう気力もないのだろう。

「こういう勝利もあるんだよ」

 手をかして引き起こす。

がけっぷちで根性見せた奴が最後の最後で笑うんだ。おぼえとけ」

「ああ、参考にするよ」

 浮かび上がるメッセージ。

『残りデバイサー、四十』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ