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神速の騎士王  作者: 天月 能
第1章 帝国騎士団とソロモン王の書
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No.5:戦闘開始

 リューを倒したアーサー達。手強い相手だった。これで下っ端と思うとゾッとする。


「今のはなんなのですか、アーサー」


「ソロモン王が使役した魔神柱だよ。今は帝国騎士団が契約しているんだ。その中の一柱『ザガン』って言うんだ」


「初めて聞きました。本では見かけたことがないので」


「と言うより完全秘密にしないとダメなんだけど非常時だったから」


ソロモン王が使役した魔神72柱『ザガン』は61番目にあたる。相性があるため番号はあまり関係なく相性が合うとその場で契約を結び契約する。ふうっと息を吐くと後方から大きな声が聞こえてきた。


「アーサー!」


アーサーは振り向くと騎士団の制服をきた人が走ってきた。アーサーが名前を呼ぼうとするといきなり目の前から騎士団の制服をきた人が見えなくなり顔に柔らかい何かが当たり呼吸がしにくくなった。


「アーサー! やーっと見つけたわ〜。本当に心配したのよ。大きな音がした時なんか心臓が止まりそうになったんだから」


アーサーは抱かれている腕を必死に振り払った。


「心臓止まりそうなのはこっちだよ! 窒息死させる気か!」


「お母さんはこんなに心配してるのにアーサー、ついに反抗期に突入したのかしら」


「知るかそんなの! ていうかお母さんじゃないだろ。入団した時はまだ小さかったから頼まれただけだろ」


アーサーは胸の大きくお母さんと名乗る女性相手に対抗していた。


「あのー、この方は……」


「えっ何アーサー、もしかして彼女が」


「黙っててくれる? えーっとさっきからうるさい人がNo.2シャルロット・ルイスで後ろで蚊帳の外になってた人がNo.29ユリエルだ」


「蚊帳の外は余計だぁ、アーサー」


まあまあと言うアーサー。No.2シャルロットは副団長だ。その実力は言うまでもない。10代の頃ソロモン王の魔術を解析し再構築して自分のものにした天才魔術師。No.29は元々は別の国だったがお家がいやになり飛び出し、旅人を襲い生活していたが団長に実力を認めてもらい今にいたる。その2人がこの場に駆けつけてくれた。


「まぁ2人が来てくれて助かったよ。敵は結構手練れもいるし。それより団長は来てるのか?どこに向かったんだ」


「団長ならトイレに向かったぜぇ」


「えっ、何やってんの団長。向かうところ違うだろ、トイレ? いや我慢してでも戦場にきてもらわないとかなりしんどいよ」


「んなこたぁ知るかよ。団長にとって戦場はトイレなのはいつものことだろうよ」


団長がいればという任務は今までたくさんあった。いないせいで死にかけた任務もある。団長は緊張するとすぐにお腹が痛くなる体質でもあり、城のトイレットペーパーの殆ど団長が消費してると言っても過言ではない。


「まぁ団長は置いておくとしてとして、学院の地下にある本のところに行こう。敵が狙っているらしい」


「そのようね。すぐに向かいましょう」


「陛下は何と仰せに?」


「陛下は『ソロモン王の書を敵よりも早くに手に入れ城の方に持ってくること』それが今回の任務よ」


「俺は別行動させてもらうぜぇ、あそこは俺の戦闘スタイルに合ってねぇからな」


「わかった」


そう言うと二手に分かれアーサーは本があるところへユリエルは別のところへ向かった。

 アーサー、オフィーリア、シャルロットは急いで本のあるところへ向かう。


「アーサー1ついいですか」


「俺に答えられることなら」


「ソロモン王の書とは一体何なんでしょうか。危ない本としかわからないのですが」


「ソロモン王の書は2つに分けられるんだ。1冊は一般民衆に見せてはいけないがそれ以外の人なら見ても大丈夫な本。もう1つは見ることすら許されない危険な魔術が書かれた本があるんだ。危険な本が2冊あって1冊は城に、もう1冊は学院の地下に封印されているんだ」


「なぜわざわざ2つに?」


「1つのところに置いていたら両方盗まれるからあえて2つに分けて、たとえ片方が盗まれても、もう片方があれば大丈夫みたいな感じだと思う」


「思う?」


「アーサーちゃんと覚えておかないとダメでしょ」


「うろ覚えてなんだよ。そこまで本については教えられてないんだよ」


「そういえばアーサーとユリエルにはあまり教えてないんだっけ。と言っても大体はあってるわ」


「あってるんだ」


アーサーとユリエルは4年前と5年前に入団したばかりだ。最低でも10年間所属していないと詳しくは教えられないようになっている。アーサー達は話しているとその入り口まで来た。ドアはとっくに開けられた後だった。どうやら無理やり破壊したようだ。


「ここから入るのですね」


「急ごうと言いたいけど暗いな」


「それなら私に任せてちょうだい」


シャルロットは杖を床にコツンと一回叩いた。アーサーのダイダラと同じように円陣が出現しそこから球体に羽をつけた悪魔が出てきた。


「グリゴリ照らして」


「よし急ごう」


グリゴリと呼ばれる悪魔から発せられる光のおかげで梯子を降りれるようになった。アーサー達は急いで梯子を降りた。もうどれくらい降りたのかわからないくらいに。そしてついに最下層に足が着いた。降りると目の前には長そうな狭い道があり先が見えない。3人は歩いてソロモン王の書がある部屋に向かった。


「そういえば今思ったのですが、ここには瞬間移動が出来ないのですか?」


「どうしたんだよ急に」


「シャルロット様が来た時瞬間移動して来たので少し疑問に思って」


「この空間は特別な魔術で瞬間移動出来ないようになってるの。さらに狭いし地下だから大胆なことは出来ないおまけつきよ」


「ユリエルが別行動をとってたのはそれが理由なんだ。ユリエルは一発に力を込める戦法だからこんなとこは寧ろ死に繋がるから基本来ないんだ」


「そういうことだったのですね」


オフィーリアの疑問にも答えたアーサーとシャルロット。3人は狭い道を歩いて目的地に向かう。そして遂にその目的地に着いたが。


「やられてるな」


「これを解けるってことは相当な手練れがいるようね」


「入ろう」


恐る恐る入ったが暗くて何も見えない。シャルロットはグリゴリを部屋の中央の天井に行かせ光を照らさせた。目にしたのはかなり広い部屋で本と本が置かれている岩がたくさんあった。がしかし敵はどこにも見えない。


「なぜこんなにも本が」


「フェイクよ。簡単に特定されないようにされてるの」


「で、本物はどれなんだ。俺は知らないよ」


「場所は入り口から見て19列36個目にあるの覚えておくのよ」


50×50のなかでそれを見つけるのは確かに骨が折れる作業だ。シャルロットは本の前まで行くと何か呪文を唱え周りにあった結界を破壊した。その瞬間シャルロットの右手にあった本が消えた。


「感謝するぞNo.2再来の魔術師。確かに頂いた、ソロモン王の書を」


「残念だけどそれ、偽物よ。本物はこっち」


シャルロットは予め幻術をかけていた。それを解き本物のソロモン王の書がシャルロットの左手に現れた。


「最初から気づいていたということか」


「部屋を封印していたのに破られていた警戒するのは当たり前よ」


「ならまた奪うのみ!」


敵は何かの魔術を展開した。そして猛スピードでシャルロットに近づいて本を奪おうとしたが間にアーサーが入り剣で受け止めた。


「シャルロット、早くここから脱出するんだ。ここを抜けたらあとは瞬間移動で城まで飛べ!」


「そうされてもらうわと言いたいけどどうやら入り口にも敵がいるわね」


「リア、シャルロットの援護してくれ」


「はい!」


2人は戦闘態勢とり入り口の敵も同じようにした。アーサーは鍔迫り合いをやめ剣を体の前で構えた。


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