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神速の騎士王  作者: 天月 能
3章 大剣魔学院祭『ウラノメトリア』
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No.37:フェニクス・リザレクションその3/ケルヌンノス・サバイバルその1

 下級悪魔フロストと契約したオフィーリアは国の中央目指して走り出した。中央からはいくつもの煙が発生している。つまりあそこに人が集まっている証拠だ。

 道中何人かと出くわし戦ったが難なくクリアし中央に辿り着いた。40人中約半数くらいがここで暴れまわっている。もちろんギルバートもいた。オフィーリアを見つけると敵意むき出しで彼女の所に来た。


「ほんと何なんですか、ギルバート。悪趣味にも程がありますよ」


「悪趣味だと? ならお前の方がよっぽど悪趣味だ。何なんださっきのあれは。この私が負けるなんてあるわけないんだ。くそっ! お前が余計なことするから私に1カウントだ。あってはならん。チャリオットもラビュリントスも負けた。これ以上負けるわけにいかんのだ!」


ギルバートは火属性の魔法を全力で放った。オフィーリアはフロストの力を使い氷の壁を作った。その壁はビクともせず溶けることもなくギルバートの攻撃を抑えた。ギルバートはムキになり剣で向かって来た。オフィーリアは杖でギルバートの剣を受け止めた。ギルバートは空いている手を彼女に向け火属性のの魔法を放った。オフィーリアは後ろに吹っ飛び体制を崩した。ギルバートは火属性の魔法を乱射しオフィーリアの逃げ場を減らした。逃げ場をなくした瞬間に剣で再び向かって来た。


「フロスト力を貸して。氷よ、白銀の世界に変えろ。エイス・ウェールト!!」


オフィーリアの魔術は彼女を中心として一気に辺りを

氷の世界へと変えた。ギルバートはもろに受け彼の腕輪に2のカウントがされた。


『そこまでだ! 第三競技フェニクスを終了する!』


ルキアノスの声だ。しかし意外と時間が短かった。オフィーリアの場合、移動にほとんど費やした。そのため短く感じたのだろう。人工悪魔ポイニクスが作った世界は消え会場に戻ってきた。シャルロットに腕輪を回収された。


『数十分の休憩を与える。次の競技の準備をするように』


クラスメイトとオフィーリアはアーサーたちの集まる場所に戻った。アーサーはさっきシャルロットに言われたことをオフィーリアに伝えた。こうして第3競技フェニクスは終了した。

 休憩の時間が終わりついにアーサーの出番が来た。第4競技ケルヌンノス。ルールは渡されたバッチを壊すこと。壊されるとその場で競技から除外される。勝利条件は他クラスの選手のバッチを全て壊すこと。最後の1クラスが残るまで行われる。順位は最後まで残ったクラスから順に決められる。残った人数は関係ない。場所はシャルロットの魔術によって無人島に転移された。ここには魔物も動物もいる。つまり人以外にもバッチを壊された場合は当然除外され会場に戻される。そしてアーサーたちも転移された。場所は島の浜辺だ。目の前には広い森、遠くの方には崖のようなものも見える。かなり大きい島だ。


「とりあえず森に入ろう」


「でも先に作戦を練らないとダメです。無策で森に入ってもやられるだけでは」


「むしろここにいた方が危ない。ここは周りから見られやすい。入ってからじゃないと総攻撃されたら終わりだ。後ろは海で逃げ場ないし」


アーサーたちは森に入った。道はあるが狭い。ここで戦うのはやりにくい。


「作戦は特にないけど、周りには気をつけること。気配遮断の魔法とか使ってくると思うよ。こんなふうに」


アーサーは剣を抜き後ろにいる人間に向けた。しかしクラスメイトは気づいていなかった。


「なぜ、気づいた」


「その程度の気配遮断ならなんともないよ。俺はもっとすごい気配遮断を知っている。どこのクラスかは知らないけどとりあえずさよなら」


アーサーは相手の胸に付けているバッチを壊した。男はその場から消え会場へと戻っていった。こうして第4競技ケルヌンノスが始まった。



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