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神速の騎士王  作者: 天月 能
3章 大剣魔学院祭『ウラノメトリア』
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No.35:フェニクス・リザレクションその1

 ラビュリントスも終わり数十分の休憩が与えられた。オフィーリアも戻ってきたが魔力の回復がとても遅く体に負担がかかっている状態だった。


「アーサー君、オフィーリアさん流石に次出るのは無理があるよ。こんな状態で出たら倒れちゃう」


「わかってる。でもその前に聞きたい。リア、君の左手の甲の紋章は?」


「あれ? 確か契約は解いたはずなんですけど」


「少し調べたい。手を見せて」


アーサーはオフィーリアの手の甲にある紋章に触れ魔力を送り込んだ。この紋章はラビュリントス内にいた悪魔だ。解約されたはずがまだ残っているようだ。


「リア、君はそのまま出た方がいい」


「でもアーサー君、それは……」


「大丈夫。次の競技はリアにとって大事な戦いになる。そして良い事も起こるはずだ。だから少しの間だけ我慢してほしい」


「アーサーがそう言うならそうなんでしょう。わかりました。アーサーの言葉を信じます」


オフィーリアたちは立ち上がり第3競技フェニクスが行われる会場の中央へ集まった。集まるとシャルロットから腕輪を配られた。


『さて役者は揃った! シャルロット、舞台の準備をよろしく!』


「では選手の皆さん準備はいいかしら? 出てきなさいポイニクス」


人工悪魔ポイニクス。今回の舞台を用意するための悪魔だ。ポイニクスは発光し会場全体を包んだ。目を開けるとそこはいつも見慣れているアルナイル帝国の街並みような場所だった。


『見ての通り、舞台はアルナイル帝国をそっくりの場所だ。それではルールを説明するぜ。先程配られた腕輪に注目。腕輪に「0」の数字が出ているがこれは倒された回数を示している。一度倒されると別の場所に自動的に移動されまた再スタートできる。で、肝心の勝利条件はつけている腕輪に魔法又は魔術をぶつけること。それができれば相手に1ずつカウントされるつてわけだ。ルールは以上だ。では健闘を祈る』


開始の合図が鳴り第3競技フェニクスがスタートした。周りにはクラスメイトも他クラスの人もいない。完全に孤立している。それにアルナイル帝国の広さをたった40人で動き回るとなれば相当な体力を使うことにもなるだろう。オフィーリアの場合魔力は万全ではない。歩いてかつ見つからないようにし少しでも倒される回数を減らすことがオフィーリアの最善だった。

 オフィーリアのいる場所は西地区の大通り。ここは西地区での商業の中心地でもある。普段は賑わいを見せているが今は静まりかえっている。不思議な気分だ。そして歩いていると後ろから声がかかった。


「ようやく会えたぞ、オフィーリア」


振り返るとそこにはギルバートがいた。話した言葉通りならわざわざアルナイル帝国中探し回ったらしい。


「さっきもそうですがギルバート、あなたストーカーですか?」


「ストーカーなわけないだろう。それにお前と私は婚約している。ならそんなものは関係ない」


「婚約した覚えはありません。あれは勝手にあなた方が決めたものです。従うつもりは毛頭ありません」


「そうか、なら従うよう享受してやる。それに今のお前は魔力があまりないようだ。魔力のない魔術師など恐るるに足りん。後で泣いて謝っても許しはしないが今謝ったなら許してやろう」


「どの口が喋っているのですか。あなたごとき魔術がなくとも倒してみせます。それに今の私は魔術だけが取り柄ではありませんよ」


杖の下先端の部分を少し回すと銀色に輝く剣が出てきた。それは細く鏡のように光っている。


「強気に出たな。仕込み剣か、魔術師が剣士の真似とはな、舐められたものだ」


「甘く見ないことです。これでもアーサーに鍛えられている身なのでそれなりに通用するかと思いますよ。それにこの競技は腕輪に魔法又は魔術をぶつければいいのです。たとえそれが初級の魔法でも構わない。目一杯追い込んで最後に最小の魔力でとどめを刺してみせましょう」


「貴様……」


ギルバート対オフィーリアの戦いが始まろうとしていた。アーサーの言っていた良い事が何かはわからないが今できる最善を全力で尽くすことがこの競技でのオフィーリアの使命でもあった。



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