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神速の騎士王  作者: 天月 能
2章 倭国事件
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No.26:逆襲のシャルロット

 骸たちを次々と倒していくアーサーと紅丸。紅丸の魔法、雷光・武甕雷のおかげで魔力、体力、傷を癒してくれ、さらに紅丸の助けによって最後はあっけなく終わった。アーサーは紅丸の意外な強さに若干の嫉妬を覚えた。


「ふう、無事終わったね。なんとか戦えたよ」


「なんとかというレベルではない気が……」


「ん? なんか言った?」


「いや、なんでもない。勝てて良かったよ」


アーサーは刀を納刀した。そしてあたりを見渡し何もないことを確認をしていたが遠くの方から何かが飛んでくるのが見えた。それは一直線に紅丸めがけて飛んできた。アーサーは神速を使い紅丸をその軌道から外し助けた。


「今のはなに!?」


「わからない。けど向こうにこの魔法を放った誰かいる。俺、行ってくるよ。紅丸は将軍様のところにいて」


「わかったよ」


アーサーは魔法の飛んできた方角のところへ走った。

 紅丸の姿がほとんど見えないところまで走っていると人が1人の男が立っていた。アーサーは刀を抜き立ち止まり男に刀を向けた。


「お前さっき魔法放ったな。何者だ。内容次第では斬るぞ」


「そんな物騒なことはなしですよ〜。私の名前はアルケタス。お返しするものがございましてですね〜、とりあえずこれをどうぞ」


アルケタスと名乗る男は一冊の本をアーサーに投げ渡した。アーサーがその本をもらい驚いた。それは以前取られたソロモンの書であったからだ。


「なんの真似だ」


「なぜと言われましても、もう必要ないからお返ししたまでですよ〜」


「ふざけるな!」


アーサーはアルケタスめがけて斬ろうとしたが簡単に避けられた。


「というわけで私、帰るので骸退治頑張ってくださいね〜」


じゃあと手を振られ瞬間移動で居なくなろうとしたがそれは阻止されアルケタスは困惑した。アルケタスは振り返るとそこにはシャルロットが来ていた。


「これはこれは再来の魔術師。なんの真似ですかね、私早く帰りたいんですが」


「逆に聞くけど無事に帰れると思った?」


「あなたが来るまではそう思っていました〜。全くこれだからあなたは嫌いだ」


「どう思われても結構よ、でももっと嫌いにしてあげるわ♪」


シャルロットは不気味な笑みを浮かべた。アーサーはその顔を見て察し、方向転換し紅丸と将軍のいるところに神速を使ってその場から逃げた。


「紅丸、将軍様を早くこの場から逃げないと危ないです」


「なんのことだ、アーサー。敵はもういない」


「敵じゃなくてシャルロットがっ!」


それは突然やってきた。とんでもない爆風が紅丸、将軍、アーサーを襲い3人は吹き飛ばされた。シャルロットがいた所はとめどなく大爆発が発生している。そして甲高い笑い声も爆風と共に聞こえてくる。


「アーサー、これは何が起きている!?」


「シャルロット敵に向かって魔法やら魔術やらを放ってるだけです! 次期終わると思います!」


アーサーたち3人はは地面に刀を差し吹き飛ばされるのを耐えている。

 そして数分後爆風は止んだ。まだ砂埃は立っているがそれはアーサーの風の魔法で四方に飛ばした。


「紅丸、将軍様、大丈夫ですか」


「なんとかな」


「僕も大丈夫」


アーサーたちは服に付いた砂を払っているとシャルロットとボコボコにされたアルケタスが瞬間移動でやってきた。アーサーはソロモンの書をシャルロットに渡すと中身を確かめ本物であると判断した。そうしてこの出来事は終わりを迎えるはずだった。



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