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神速の騎士王  作者: 天月 能
2章 倭国事件
19/88

No.18:地下牢へ

 夕日が沈み月が輝き出した頃アーサーは刀を振っていた。仮想の敵をイメージしながら攻めて、攻めて攻め続けた。椛の言う通り簡単な話だった。あまりに没頭しすぎて後ろから掛かった声にも気付かずにアーサーは結斬を振る。アーサーの肩に何か軽く叩かれた感覚があったのでアーサーは咄嗟に背後の何かを斬ろうとした。よく見ると転がっていたエリスがいた。


「何するのよ。危ないじゃない」


「ごめん。夢中になりすぎてたよ」


アーサーは腰をついたエリスに手を貸し起こした。


「もうすぐご飯できるからよんできてだって」


「わかったよ、今から行く」


エリスはアーサーをじっと見た。


「何か付いてる?」


「えーと、アーサーの剣術何か変わったなと思って」


「まぁね。今のままじゃダメと思って変えたんだ」


エリスはそうなんだと言いアーサーと一緒にその場を後にした。

 城が焼けたため食べる所は外となった。みんな既に集まっている。初日みたくワイワイとはしておらず何か作戦会議に近いような雰囲気となっていた。いつ敵が攻撃してくるかわからないためこのような雰囲気になるのは当然といえば当然だ。そんな時皇帝と将軍が姿を現し言った。


「諸君先ほどその後の方針があらかた決定した。よってこの場で申し訳ないが言わせてもらう。敵の存在は不明だがまた何かしてくることは間違いない。被害を最小限にするため城の復旧は後回しにし先に敵を撃破する。復旧はその後だ。そしてあの子の解放をしようと思う」


大和国の兵士と雷皇は驚きを隠せなかった。兵士の中には異論を唱えるものも少なくなかった。アーサー達騎士団は何のことが意味がわからなかった。そしてアーサーとエリスは近くにいた彩葉に近寄った。


「彩葉さん一体何のことですか?」


「将軍様の嫡男のことだよ。名前は紅丸といってな10歳の時からずっと地下に入っている」


その後彩葉はこう言った。土御門紅丸は生まれてすぐに母を亡くした。原因は紅丸本人の特殊体質にあったらしい。その後暮らすも紅丸の周りは発狂し死んでいく人が増えていった。紅丸は自分から地下に、つまり自分の体質が届かない所へ行くと将軍に懇願し現在に至る。将軍家の嫡男は必ず雷皇に入り実力を積み将軍へとなれる。紅丸も地下では鍛錬しているはずだが体質故に将軍になる以前に外に出ることが不可能だった。しかし今回紅丸を外に出し戦力の1人としてすると将軍は言ったと彩葉説明した。


「でもどう出すんだろう」


「その辺はお宅の魔術師さんが何とかやってくれるだろ。再来の魔術師なんだろシャルロットのやつ。なら何でできんだろ」


「まぁ一応は」


将軍は反発する兵士達を説得しそのまま食事会へ入った。

 食事会が終わるとアーサーは将軍の元へと行きその場で膝をついた。


「将軍様。先ほどの件ですが私も共について行ってよろしいでしょうか」


「危険すぎる。それにこれはこちらの国の問題でもある。異国のものを危険な目に合わせるわけにはいかんのだ」


「そうなればシャルロットは関係ないと」


「……わかった。ついて来るなら来い。しかし命の保証はせんぞ」


「はい、ありがとうございます」


若干卑怯な手ではあったがなんとか地下牢に行くことをこじつけた。


 次の日、朝食後すぐに行く準備がされた。入り口は前に翔鶴によって入るのを止められた場所だった。開ける前にシャルロットが将軍とアーサーとシャルロット本人に魔法をかけた。これが無いと死ぬ可能性があるらしい。緊張と扉を開けた時に感じる寒気が全身を走らせた。将軍の合図で3人は暗い階段をコツコツと降りて行った。



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