No.13:風呂場での片時その2
一方男連中はどうなっていたのだろうか。女子たちがワイワイとはしゃいでいる声やエリスの声が聞こえたりしている。
「兼続、覗きはやめろ」
「何いってんだよ。隣が女風呂だぞ。覗いてくれと言ってるものじゃないか」
「いや、捉え方が吹っ飛び過ぎ」
「いやいや。数多の男はこの女風呂を前に幾度となく敗れてきたんだ」
「何にだよ」
「ならこの俺が塗り替えてやろうじゃんか」
「別に塗り替えなくてもいいよ」
なぜ数多の男達は敗れてきたのかと言うとこの風呂を分ける壁には強力な魔術がかけられている。登ろうとすると何かしらのペナルティか魔術による攻撃がくる仕掛けになっている。全裸でそれを受けるとひとたまりもない。ちなみに過去最高記録は現将軍だということは誰も知らない。
「それに覗いても何にもないだろう」
「んなことねぇよ。上と下セットで見れんだぜ。男として一度は見てみたい!」
「そうですか」
「アーサーは見たことあんのか?」
「よく昔姉と風呂入ってたからな。それだけ」
「くそ羨ましい」
兼続はそう言いつつ男女を分ける壁の前に来て腕を組んだ。触るくらいなら何も起きないがどうやって登るかが考えつかなかった。すると兼続は何か思いついた。目を大きく開けアーサーの方を向く。
「なぁアーサー」
「ん?」
「少し、少しでいいから手伝ってくれ」
「いやだ」
「ほんの少しだよ。見つかってもアーサーのせいにはしないから。お願い」
兼続は両手のひらを合わせ懇願した。アーサーは考えに考えた。
「何をどうすればいいんだ」
「簡単だよ。アーサーが俺を高く上げればいい。それだけだ。」
「どうやって」
「俺が壁から距離を置いて走ってタイミング計って上に上げる。そしたら壁に触れずに向こう側が見れるってこと」
「しゃーないか。一回だけだぞ」
「おう」
兼続は距離をとりアーサーは腰を低くして構える。
「行くぞ」
兼続はアーサーの方へ向かって走った。アーサーから少し離れたところで飛び上がり片端をアーサーが手を組んだところに片足を乗せた。アーサーは兼続の片足が手に乗った瞬間に思い切り腕を上げ高く飛んだ。兼続は念願の女風呂を覗こうとした。その時だった。向こう側が見えるか見えないかくらいのところで魔術が発動し兼続へ直撃した。
「なん……で」
「じゃあな、兼続。俺風呂出るわ」
兼続は気絶した。アーサーは普通に風呂を出て着替えた。
「まぁ。普通壁の上にも対策されてるよな」
アーサーはそう言い脱衣所から出た。その後兼続はしばらくその場で気絶し続け、1時間後くらいに目が覚め風呂を出たのであった。




