謁見のようですよ!?
5月2日(月)の投稿になります。
反乱のあった村で引き継ぎを済ませ護衛兵の数が増えた。これは帝都に帰って交代する兵らしい。
イカルガでは主要街道の整備が行き届いているため、比較的安全に移動出来る。
「すごいもんだねえ。イスカトリア大陸より進んでるんじゃないかね?」
「これは皇帝陛下が即位されてからの大事業でしてな。ほかにも国民の為に色々素晴らしい政策を打ち立てておられる。」
ニーニャさんの感想に答えたゴンじいが、お祖父様の政策について説明する。
旅は順調に進んだ。
そして、あっけなく帝都へと到着した。
「開門!」
門番の声で城門がゆっくりと開く。
開いた大門を馬車で通りる。
そして、ニーニャさんとヤツバさんが緊張でガチガチになってきだした。
「大丈夫ですか、二人とも?」
私の問いかけるにニーニャさんがぎこちない笑みを浮かべながら答える。
「無理、あたしだけ宿にいってていいかね?」
「ニーニャ殿だけずるいです。自分も…」
ヤツバさんがニーニャさんの発言に抗議するが。
「駄目に決まっているでしょう。」
と、カザリに否定された。
「カトリアス城も入ったじゃないですか。うちの城と大して変わらないでしょう?」
と言ったのだが。
「イヤイヤ!明らかにこっちの城の方がでかいし!門潜ったの何度目だい!?」
現在三ノ門を潜った所ですかね?
本丸まで後一つだったかな?
ようやく本丸までたどり着き、馬車から降りる。
その馬車の前にはずらりと兵士や、城勤めの者達が綺麗に整列して並んでいる。
「ひぃ様のご帰還を皆が待ち望んでおりましたからな。」
ゴンじいが、目尻に涙をたたえながら言った。
「皆、心配を掛けました。」
私はその苦労に報いるためにも声を掛けた。
「殿下もったいなや。」
大臣達が涙を流しながら頷いきあっていた。
「姫様。皇帝陛下がお待ちでございますよ。」
侍女頭のツヨが進み出てきた。
記憶にある時より皺が増えているような…
「ツヨ、ただいま。」
ツヨは何も言わず深々と頭を下げた。その足元に涙が落ちた。
そしてシャルハーン殿下を伴って謁見の間へと進む。
「ヤバいよ…あたしのせいて外交問題とかならないよね?」
「それを言うなら自分のせいでアラハバキ家お取り潰しの可能性も…」
そんな心配をよそに謁見の間へと到着した。
やっとお祖父様に会える。私は高鳴る胸を押さえながら、中へと入る。
「イカルガ帝国皇女殿下、ハル様。並びにラナルカンド王国王太子シャルハーン殿下ご到着!」
頭を伏せながらしずしずと部屋の中央へ。
そこでお祖父様、イカルガ帝国皇帝の入室を待つ。
やがて…
「イカルガ帝国皇帝イササギ陛下ご入室!」
扉が開きやがて前の王座へ座る音が聞こえそして。
「一同面を上げよ。」
懐かしい声に従い顔を上げれば、こちらを見やるお祖父様と目があった。
その目には涙が溢れている。
「よくぞ、よくぞ還ってきた!ハルよ!!」