表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/113

王太子登場のようですよ!?

4月24日(日)の投稿になります。

現在私は、豪奢な馬車に乗っております。

「ハル嬢。このリンゴの砂糖漬けもいけるよ?」

そう言って王太子が手ずから私の口にリンゴの砂糖漬けを運ぶ…



どうしてこうなった?





カザリの集めた情報に従い、私達はギ=ザザと相対する為移動していた。

王太子一行の移動ルートから襲撃に有利そうな場所を割り出し、そこで網を張る事にする。

襲撃予定日まではまだ間があるために、私とヤツバさんは近くの街に買い出しに向かった。

その街では王太子が来るということでお祭り騒ぎだった。

「凄いてすね。」ヤツバさんは色とりどりの装飾が施された布が飾り付けられた街並みを見て感心していた。

色々な物を売っている出店も沢山出ていた。

王太子が到着するまで確か二日ほどあった筈ですが。

すでに祭りは絶好調といった感じですね。

どうやらこの王太子の国民人気はかなり高いらしい。

顔はイケメン、剣の腕前もあり、さらには操船技術に優れていると、この国ではいい男の絶対条件に操船技術が欠かせないそうで。そこら辺はさすが海洋国家と言えよう。

「たしか、王太子の名前は…」

「シャルハーンてすよお美しいお嬢さん。」

「そうそうシャルハーン…って、え?」

いきなり声を掛けられ呆気に取られる。

ヤツバさんが慌てて間に入ってくれたが、その事に気にもとめた様子はなくニコニコと微笑んでいる青年がいた。

ラナルカンド人特有の浅黒い肌に青い瞳、赤茶けた髪は短く纏められている。

仕立ての良い服を着込み、嫌みのない程度の高価そうなアクセサリーを身につけている。

貴族?私は身なりからそう考えた。だとしても海上派か、陸上派か…

「別に危害を加える気はないよ。勇ましいお嬢さん。ただそこの紫髪のお嬢さんと少しお話がしたいだけでね。」

この男…何者?一気に胡散臭くなった男を警戒したヤツバさんが私の手を引いてこの場から離れようとした時、さらに一人の男性が現れた。

「探しましたよシャルハーン!またこんな所でナンパなど立場をわきまえて頂きたい。」

シャルハーン?って王太子の?

まさか…

「王太子ともあろうお方がこんな下賎な女に…』

新たに現れた男、なかなかのイケメンで少し冷たい印象を与える男はそれ以上口を開けなかった。

なせならいつの間にか抜刀したヤツバさんが彼の喉元に刀を突きつけていたからだ。

「ハル様に対して下賎などと!」

街中で突然の抜刀騒ぎに辺りは騒然となった。

「これはいけないね。」

シャルハーンはそう呟きさらに。

「これ以上の騒ぎは不味いでしょう?そっちの勇ましいお嬢さんも、フィーリスも。こっちだ!」

そう言って、私達を連れてこの場から逃げ出した。



つい一緒に逃げ出してしまいましたが、同行する必要はないような。

などと思っている間に一件のレストランにたどり着く。

「さあどうぞ。」

そう言って私達を招き入れ、お店の者に案内され奥へと。

そして…

シャルハーン!なにを考えておいでか!こんな女共を!不敬罪で処罰するべきだ。」

フィーリスと呼ばれた男性は冷静な印象とは裏腹にかなり激昂していた。

しかしシャルハーンは意に介さす。

「まあまあ、この場合不敬罪で処罰されるのはフィーリスのほうだよ?ねえ、イカルガ皇女様?」

といって、こちらに微笑みかけた。

その笑みは掛かった獲物を品定めしている猫のようで…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ