作戦会議のようですよ!?
4月20日(水)の投稿となります。
「困りましたねぇ。」
カザリのため息とともに出た呟きは、ギルドで貸し与えられた部屋に虚しく響く。
あれから一週間ほど過ぎたが、私達はギ=ザザの居場所を掴めないでいた。
これは恐れていたことになったかもしれませんね。
「時間稼ぎ…か。」
兄様も同じ考えに至ったようですね。
「時間稼ぎですか?」ヤツバさんが兄様に反応して尋ねた。
「正確に言えば、ヤツの持っている魔具が脱皮する時間を稼いでいるということだろうな。」
そう、ギ=ザザの所有している魔具、蛇骨槍アペプ。ラーの遺産であるその武器の能力は、持ち主の血を吸う事により分身を生み出し、その分身を持っている所有者が死んでも本体であるアペプの側に復活出来るというものだ。
「分身をどれ位の時間で生み出せるかはわからないですが少なくともそれまでは動かないと?」
ヤツバさんの確認に頷きながら考える。
「打つ手なしですねぇ。」カザリが言うとかなり重い。今回はカザリの独壇場だった。しかし思う様に結果が出せなかったことに内心どう思っているのか。
と、突然今まで静かだったニーニャさんがおもむろに立ち上がった。
お?もしかしてなにかいい案を思いついたのですかね?
「お腹すいちゃったよ!なにか食べないかい?」
…なにか食べないかが飲まないかに聞こえたような。
とはいえ」、たしかに少しお腹も空いたし気分を変えるのもいいかもしれません。
私がそう言おうとした時、ヤツバさんがなにげなく言った。
「そういえば彼らは」どうやって食料を調達しているのでしょうか?」
それにカザリが答える。
「それももちろん調べましたが、不思議と足取りなしです。彼らの潜伏しているであろう近辺の村々まで当たりましたがここしばらく襲われたこともないと。」
うーん、それはそれでおかしい話ですね。
彼らが自給自足で生活出来ているならともかく…いやまさかねえ。
「ならその魔具の場所をつかめないですかね?」ヤツバさんがあきらめずに次の案をだしてくるが。
「ギ=ザザの場所すら掴めないのにその武器をどうやって探すというんですか?」
と言うカザリの反論に撃沈していった。
あとできることと言えば、おとり…ですかね。
「つまり、私をオとりにしてヤツをオびきだすと言う事ですカ?」
ギ=ルルさんが私のつぶやきの反応してきた。
「まあこれはなしですねえ。護衛対象を危険に晒すなんて。」
と言いかけたのを遮り。
「イエそれで行きましょウ。それでヤツの居場所がつかめるなら安いものです。それにお忘れデすか?私が依頼シたのは討伐依頼であって護衛ではないですよ。」
あ!そうでした。
となると話は早く、カザリがテキパキと行動を定めおびき出し作戦を煮詰めていく。
「おーい、お酒は…まだかい?」
ニーニャさんの声を置き去りにして…