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かしましい受付嬢のようですよ!?

4月11日(月)の投稿となります。

ルカンタの街、冒険者ギルドはさすがの大きさであった。

幾多の国の人々が利用するためか、看板には数か国語で書かれている。

扉は開け放たれており、料理のスパイシーな香り、それとお酒の匂い…これはニーニャさんが食いついていた。

先頭を切って入っていくニーニャさんの後を付いてギルドの中へと。

中はマハルや王都と違って、一階が酒場と一緒になった造りのようだ。手前が酒場スペース、その奥に事務処理をするカウンターがある。そして壁一面に掲示板が設置されており、沢山の依頼書が所狭しと張られていた。

「自分がルカンタに着いた時は、ギルドに入らなかったので。中々の盛況のようですね。」

ヤツバさんがそれとなく視線を配りその盛況さに感心した。

早速テーブルに着いてお酒を注文しようとするニーニャさんを引きずるようにして奥のカウンターへ。

「いらっしゃいませ。冒険者ギルド、ルカンタ支部へ。こちらは初めての方ですね?どういったご用件でしょうか?」

受付にいたのは、私と同じくらいの歳の少女だった。

茶色の髪を短いツインテールにしていてハキハキとした喋り方は好感がもてる。

活発そうな印象をあたえるのは、クリクリと動く目のせいもあるだろうか。

とても愛らしい少女である。

「さっき到着したばかりなのでとりあえずラナルカンドの登録を。」

と言いながら、私達はギルドカードを出す。宿場街にきちんとしたギルドがなかったためにラナルカンドの登録がまだだったのだ。

受け取った受付の少女、まだ名前聞いてなかったな、はギルドカードを確認のために目を通しその動きが止まった。

「え、えっえ、Aランク!あなた方三人がっ!?」広いギルド内に妙に響く彼女の声に当たりの喧騒がピタリと止んだ。

ちょっ!?なぜそんな大声で!こちらをうかがう多数の視線に居心地の悪さを感じていると二階から慌てたように階段を駆け下りてくる女性の姿が見えた。

「こらっ!シャスティナ!!また大声をあげてっ!」

シャスティナと呼ばれた少女は首をすくめながら反論した。

「だって、ウェルザさん!AランクですよAランク!それも私と同い年くらいの子たちが!!誰だって驚きますよっ!!」

ウェルザと呼ばれた女性はため息をつきながらたしなめる。

「冒険者の情報をみだりに口にしないっ!それも大声で…ハアッだからアナタは何時まで経っても見習いなのよ。あとアナタは一人で冒険者に対応しちゃだめでしょう?ラナはどこいったの?」

といって辺りを見回すウェルザさん。

「ラナさんは掲示板の依頼書の張替えでいません。」とシャスティナさんはウェルザさんに答えたが。

「あのー、私はココっす…」

私達の後ろから声がして、一人の獣人の女性が現れた。

歳はニーニャさんくらい?で少し、ほんの少しふとましい体型の、これはクマかな?な耳をした女性、ラナさんは気弱な感じでウェルザさんに答えた。

「ラナ、シャスティナを一人にしちゃダメじゃない!あっと申し訳ありませんお三方。ご不快な思いをさせまして深くお詫びいたします。ほらシャスもラナもあやまるっ!」

ウェルザさんに頭を押さえられたシャスティナさんとラナさんが謝ってくれたので、まあよしとしておいた。実害はなかったですしね。

「改めまして、ようこそルカンタへ。私が担当をいたします、ウェルザと申します。」

ウェルザさんはまさにインテリ美人な感じの女性で、メガネを掛けたらどこかの秘書か弁護士かという感じがする人だった。まあちょっと厳しそうではあるが。

カウンターの奥で直立不動で立たされている二人を軽く見やりながら手早くギルドカードの登録を済ませていく。

「ハル様、でよろしいですね?ではあと一人がまだのようですが、パーティー『楽園の乙女』の登録は終了しました。なにかご質問等ありますでしょうか?」

今の所なにも思いつかなかったので質問はないことを告げてカウンターから離れた。早速説教が始まったようで、シャルティナさんがこちらを恨めしそうな眼で見てくるがスルーしておいた。私のせいではないですし…

さて、お酒に飢えた野獣、もといニーニャさんがサッと席に着きお酒を注文している。

同じテーブルに腰をおちつけ、私達は軽い食事を頼んだ。

しばらくするとカザリがやってきた。登録を済ませた後、カザリも軽食を頼みのんびりする。

うん、こちらを窺う視線がうっとおしいですがガマンガマン。

兄様は各地を旅しているので、ラナルカンドの登録はすでに済ましているだろうということでカザリの取った宿屋へと。もちろんイカルガ諜報部の息の掛かった場所へ向かう。




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