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王への謁見のようですよ!?

4月2日(土)の投稿になります。

現在私達は、カトリアス王国の王都カトリアにある王城に招かれています。

しかし謁見の前に通された控えの間はとてもぎすぎすとした雰囲気となっていて…

「マサキさん、この方はいったい?」

私は小声でマサキさんに、控えの間に着いてから現れ、なにやらネチネチとこちらを卑下してくる貴族らしき人の事を尋ねた。

「あーこいつはワッツナー伯爵といってな、古くから続く貴族でその事を非常に誇りとしているヤツだ。俺が叙勲された時もかなりゴネてきたヤツだ。」

あーいますね、こんな人。つまりマサキさんの知り合いで身分が低いだろう私達のことが許さない的な?

しかし私達を招いたのは王の名を持ってなされた事なので、これひ異を唱える事は王命に背く事になるんですが気付いてますかねこの人?

王都を襲った同種食いを見事退治した冒険者に礼と褒美をという事でギルドを通じて招かれてここにいる訳てすが。

「大体、平民上がりの貴族などという物はわが国の格式を…」

これはマサキさんの事ですかね。あ、マサキさんは知らん顔で紅茶を飲んでますね。

チラと他の人達の方を見やると、ヤツバさんは緊張でガチガチ、ニーニャさんはマサキさんに借りたドレスを着心地が悪そうにモゾモソしている。カザリは…まあ慣れたものて平然としてますね。マサキさん、アレーナさんアミーナさんはどこ吹く風でお茶を楽しんでいる。ショウコさんは憎々しげにワッツナー伯爵を睨んでいた。

ハイランシア家はたしか子爵でしたっけ?

なにか言いたいけど身分がそれを許さないと。

ザック兄様はいない、別件があるそうだ。Aランクになれば理由があれば王の招待も断れるとのこと。

しかし…この控えの間は招かれた者だけが入れる所なんですが入って大丈夫なんですかねこの人?

伯爵の嫌みは続き、そろそろなにか言った方がいいのかな、などと思っているとやっと謁見の間へと通された、そしてついて来るワッツナー伯爵…

謁見の間へ着き、未だ空席の王座へとこうべを垂れ膝を付く皆、しかし私は軽く頭を下げるが膝は付かない。

ザワザワとしだす謁見の間にいる他の貴族達、しかし一部の貴族は騒いでいない。私が何者か調べがついているのかな?

そしてワッツナー伯爵が吠える。「貴様!無礼であろう!」

王が到着してないのに発言するのは如何なものかと思いますが。

「たかだか身分卑しい小娘がっ!」

「静まれいっ!王のおなりであるっ!」

ワッツナー伯爵の罵声に重ねるようにして声が掛かり慌てて頭を下げるワッツナー伯爵。

豪華な鎧を着た騎士を従え王が王座へ着く。年の頃は四十代後半くらいでしょうか?

ガッシリとした体格に威厳のある顔立ちはアーデルさんに似ている。まあ親子だから当たり前でしょうか。

「なにやら騒がしいなワッツナーよ。」ジロリとワッツナー伯爵を睨む王に、慌てて弁解を始める。

「も、申し訳ありません。しかしこの女が、たかたか冒険者で身分も卑しき者が御前で無礼を!私はそれをいさめようと…」

そこまで言ったワッツナー伯爵を、王が憤怒の形相となり怒鳴りつけた。

この、痴れ者がっ!衛兵ワッツナー伯爵を捕らえよ!」王の命に素早く動き、ワッツナー伯爵を捕らえる衛兵達。

王は喚くワッツナー伯爵を無視して私に頭を軽く下げた。あまりのことに騒然となる一同だが次の王の言葉でそのざわめきが収まる。

「臣下が無礼を働いたこと謝罪する。許されよ。ハル皇女。」

しばらくして、再び辺りがざわめくが、やはりさっき冷静だった人達は静かに状況を見ているようですね。

ワッツナー伯爵は顔を青ざめさせ大人しくなった。

ちなみにこの世界では敵対国でもない限り、皇族は王族より上位者という認識となる。

そもそも皇帝は一つの皇家と5つの王家に認められて初めて皇帝を名乗ることが出来る。イカルガはこの世界最古の皇家なので、本来であれば王自身が私を出迎える必要があるんですが、今回はそこら辺はなしとなっている。

衛兵に引きずられ謁見の間から連れ出されるワッツナー伯爵を見やり王か口を開く。

「静まれ!…ここはうるさくてかなわんな。どうだろう、場所を変えて話をするというのは?」

との提案に頷いた。その提案に顔を青ざめさせる人達は…事前に聞いていた人達に人相が当てはまりますね。

そうなのだ。実はここまでの事は事前に話し合っていたのた。

ハゾンの協力者を捕らえるための演技。

あとの貴族派もなにか理由を付けて捕らえられるのでしょう。

私達は別の部屋、貴賓室へと通された。

そこにはアーデルさんが待っていた。

「すいませんでしたね。演技とはいえ。」

アーデルさんは直ぐに謝罪してきたが私はなにもしていないですし、笑って頷いておいた。

「さて、改めて…ようこそカトリアス王国へ。そして、よくぞわが国の危機を救ってくれた!」

さっきよりも柔らかい雰囲気となった王が私達へ向けて今回の謝礼を述べた。


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