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神へと至る道のようですよ!?

3月29日(火)の投稿になります。

私は神眼を閉じ、ハゾンを睨みつけた。

「街に放った同種食いは全て倒されたようですが?」

私が言い放った言葉をハゾンは初め馬鹿にした表情で聞いていたが、何かに気付いたように慌てて懐から握り拳大の水晶球を取り出した。

それをジッと見つめていたハゾンの顔が、瞬く間に青ざめる。

「馬鹿なっ!?全滅だとっ、街中に放った全ての同種食い共がことごとく?ありえん!いくらSクラスのマサキ伯爵がいるとはいえ…」

その足にしがみついていたコスギ子爵もさらに震えだした。

「私の、私の仲間達を甘く見ていましたね!」

もうすぐ彼らもここに着くだろう。これで彼らは終わりだ。私は残っている同種食いを滅ぼさんと紗鳴サナリを構える。

しかし…

「ふはっふはははははっあははははははひぃははははははははははっうひゃははははははっっ!愚かな!愚かな小娘よ!!まさかこれで終わりだと思ったのか?街中に放った同種食い共など余興に過ぎん!」

「何を言って!負け惜しみですか?』

私の返答にハゾンはしかし余裕の笑みを浮かべる。

「負け惜しみ?クククッ小娘、教えてやろう!我らが何のために同種食いを作り出したのか!」

彼らの目的は…ボルトーニア帝国の遺産の復活。


同種食いとは、この世界のシステムが創り出した生命体が神へと至るための過程で生まれた言わばバグの様なもの。

しかし彼ら、いえ古代ボルトーニア帝国皇帝アメン・ラーは見つけだした、そのバグを利用した術式を。神へと至る道を。

ハゾンは、熱病に浮かされたような表情で熱弁した。

つまり遺産とは…

「これが私が神になるための神具!ラーの瞳だ!!」と言ってハゾンは持っていた水晶球を高々と掲げた。

すると、今まで石像の様にジッとしていた三匹の同種食いが震えだした。

一体どうしたの?私がその様子を疑問に感じた次の瞬間、ハゾンの持っているラーの瞳があのおぞましい光を放ちだす。

そして禍々しい文字、禍津マガツ文字を浮かび上がらせると、その文字が邪悪なる黒い光の腕となり三匹の同種食い達の背後からその胸を貫いた。

その腕に握られているのは…

「魔核?」

ハゾンはニヤリと禍々しい笑みを浮かべる。ラーの瞳はその腕を魔核ごと吸い込んだ。そして…

「これて私は神になる!偉大なるアメン・ラーよ賞賛あれっ!」

ハゾンはその邪悪に歪めた顔を上に向け手に持っていたラーの瞳をその口へと運ぶ。

ゴクリとまるで蛇が獲物を飲み込むがごとく拳大のラーの瞳を飲み込んだ!?

「いけないっ!?」『マスター!邪域が形成されていきます。この場にいては危険です。』

ハゾンの周りを、おぞましく禍々しい黒い光の文字が取り囲む。

私は急いで建物から逃げ出した。

建物を出て後ろを振り返ると…『マスター!』凄まじい爆発は、紗鳴サナリがとっさに張ってくれた防御結界により私へと届かなかったが。

その爆発の中心にいたのは。


身体中にビッシリと禍津マガツ文字を浮かべ、あちこちから同種食いらしきモノ達の苦悶の表情を貼り付けた、四枚の蝙蝠のような羽を生やしたハゾンが浮かんでいた。その姿は…



人でも、魔物でも、そして龍ですらない哀れなイキモノの姿だった。

次回で終わる…予定。

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