仲間…その2のようですよ!?
3月26日(土)の投稿になります。
商店の倉庫であろうか?破壊された扉から出てくるのはオーガの同種食い。
しかしそこに石畳から伸びた複数の石造りの槍が、オーガイーターに襲い掛かる。
が、そのすべての槍を弾き返す。しかしオーガイーターに当たらなかった槍は、倉庫の壁を壊しその瓦礫がオーガイーターを埋めた。
「やっぱり固いな。」
その声とともに現れたのは4人の冒険者。
「カザリさんの情報通りだったねー。」
そう言って一歩足を踏み出したのはアミーナさん。その後ろにはマサキさん、ショウコさん。そして…
「見せ場に間に合いましたねぇ。」
最後の一人はアレーナさんだった。
瓦礫に埋もれていたオーガイーターが瓦礫をはねのけ姿を表す。
「そのまま寝てればいいものを。」そう言ってショウコさんは不機嫌そうに吐き捨てる。
「久しぶりに双子のコンビネーションいっちゃう?」と嬉しそうに笑うアミーナさんにアレーナさんは、
「久しぶりすぎて足引っ張らないでくださいよ、お姉?」との答えに、頬を膨らまして抗議するアミーナさん。
「ブーブー、久々に会ったのに冷たいよレーナちゃん!いくら私のほうが胸が大きいからって…痛いっ!?」
いつの間に持っていたのか、アミーナさんの胸を刺した針を仕舞いつつ。
「ハイハイ、馬鹿言ってないでやりますよ。」「はーい」
その双子の様子に呆れた様子のマサキさん。
「お前ら相変わらずだなぁ。だが油断するなよ。」
マサキさんの助言に頷く二人は、改めてオーガイーターに向くと構える。
「いっくよー!!」の掛け声と共に駆け出すアミーナさん。
そして。「自由にして調和を貴ぶ風の精霊よ。我が声に耳を傾けたまえ。自然界に悪意持ちし我が敵をその御技にて束縛せしめんことを!ウインドバインド!」
朗々と唄い上げるアレーナさんから吹き上げる風がオーガイーターの手足を縛り付ける。
「自由にして調和を貴ぶ風の精霊よ。我が声に耳を傾けたまえ。契約に従い我と一つとなり我らが敵を打ち滅ぼさん!ウインドスニーカー!」
アミーナさんが続けて詠唱しながらオーガイーターへと駆け寄る。風を纏った拳と蹴りがオーガイーターを連打する。
アミーナさんは武闘家だったんですね。
『魔法も使えることから、上位職の魔唱闘師かと』と紗鳴の答えに意識をそらしたときにはアミーナさんが大きく飛びすさっていた。
ギギググウゥゥ!
倒せはしなかったようだがかなりのダメージを与えたようで、オーガイーターは大きくよろめいた。
追撃をかけようとしたアミーナさんをアレーナさんは止めた。
「待って!地面からなにかきます!』
その忠告と同時に、オーガイーターの真下の石畳が大きく揺れたかと思うと、地面を吹き上げ大きな手が現れオーガイーターを掴み地面へと引きずり込んだ。
絶叫となにかを咀嚼する音が辺りに響き、やがてゆっくりと地面に空いた穴からそれは姿を表す。
「おいおい、洒落にならんだろ。」
マサキさんが引きつった笑みを浮かべ一人ごちる。
それは身の丈六メートルは超える大きさのオーガイーターだった。