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帝国の遺産らしいですよ!?

3月23日(水)の投稿になります。

それから、ハゾンのご高説が始まった。

要約すると、偉大なるボルトーニア帝国皇帝アメン・ラーが生み出した『祝刻』は、人をより優れた存在へと変える帝国が残した遺産の一つであると。

それは神へと至るためのものであると…

それって、まさか

「龍への覚醒…」

思わず呟いた私の声にハゾンは嬉しそうな声で答えた。

「ほう、知っているか。あながち無知と言う訳ではないらしい。」

じゃあこいつが同種食いを生み出した犯人?

そう問いつめるとハゾンは忌々しそうに答えた。

「あれは、兄の功績だった!我ら兄弟は、偉大なる皇帝の御技を復活させようとして、一年前に兄が完成させたのだ!そしていくつかの試験体を生み出した!だがあの愚かなるヤツが!!あのオーガイーターめが!兄を殺しおった!」

あの同種食いが言っていた男とはハゾンの兄だったのですね。

ハゾンは口から泡を吹きながら続けた。

「それを知ったのは王都に着いてからだ。お前達にオーガイーターを倒されたのは予定外だったが、マハルの街での研究結果と合わせれば十分なデータが取れたといってよかった。人間に対しての使用例は、なんと言ったか…そうそう、ギルソールだったかあの間抜けな貴族の冒険者!ヤツくらいしかまともなデータは取れなかったがな。」

ギルソールって私がニーニャさんと初めて会ったときの…

ハゾンはさらに続ける。顔の『祝刻』を不気味に輝かせながら。

「人間に対して使用すると自己意識の肥大化によって傲慢さが増し、理性が多少薄れてしまうという欠点があったが、ヤツのデータによりそれは解消された!それは私が証明している!なのに共に栄光を掴むべき兄はもう居ない!』

と言いながら突然暴れ出した!?

どこが成功なんですか!?たまらずコスギ子爵が止めに入る。

「ハゾン殿落ち着いて!落ち着いてくたされ!」

しばらくして、ハゾンが落ち着く間になんとか逃げ出そうと魔力を集めようとしたが、上手く集まらない。これは一体?

それに気付いたのこコスギ子爵が嫌らしい笑みを浮かべ答える。

「魔法をお使いになりたいようですが無駄ですぞ?あなた様には魔法が使えないように魔法具を使用しておりますでな。」

魔法具?そのせいで魔法が使えないということですか。

ようやく落ち着いたハゾンが部屋から出ながら私に声を掛けた。

「今日はこれで失礼するが、決して逃げようなどと思わないようにな。あなたが逃げればこの街がどうなるか…フハハハハッでは失礼姫殿下。」

「ハゾン殿の言う通りになさってくださいよ?この美しい街が同種食い達に襲われる所など見たくないでしょう?」と言って嘗め回すように私の体を見てから部屋を出て行くコスギ子爵…

あいつら、一体なにをするつもりなんでしょうか?

その日はなにも出来ず少しでも体力を温存するために眠ることにした。

皆が助けにきてくれる事を信じて。

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