再び同種喰い登場のようですよ!?
3月11日(金)の投稿になります。
森にて無双するようですよ!?回において雷神魔法の詠唱を変更しております。
変更は 「我が右足に在りしは神潜みし雷光!…降れ!伏雷ふしいかずち!!」私は右足を前に踏み出しながら詠唱する。突然あらわれた雲から放たれた雷光により、三匹のゴブリンと、側の木々を巻き込んでその威光を地上へと振り下ろした。
となります。なお本編自体に変更はないので気にならない方は再読されう必要はございません。申し訳ありませんでした。これからもよろしくお願いします。
商隊は動き出す。私達はそれを見送る暇はない。
すぐに同種喰いと、30匹のゴブリンの集団の元へ。現在はD班と右側の襲撃を防いでいたC班がその集団を押さえていますが…
「またせたな!」ナズローさんと一緒に戻ってきたのは筋骨隆々としたかなりの強面のせん…魔法使いの男性だった。
「ギャリド!連戦させて済まないが頼めるか?」アーデルさんがギャリドと呼ばれたムキムキな魔法使いに頼んでいた。
「まかせろ!ガハハ!さっきのゴブリンン共は歯ごたえがなくてつまらんかったからな!」と豪快に笑うと呪文の詠唱を始めた。
「C、D班は魔法の着弾を合図に後退しろ!」
ギャリドさんの詠唱が、とても繊細な美しい旋律を刻んでいく。見た目からは想像できないくらいの。彼はもう詠み手の域に到達しているのかもしれない。
「氷河の中で眠りし者よ、炎すらも凍らす者よ、はるか古代より今だ目覚めぬ
者よ!我、汝の名を知る者なり。汝のその名をもってここにその力を顕現させたまえ!汝が名は********なり!」
最期の名前はまったく理解できないものだったが、最期に名前を唱えた後、冒険者達と戦っているゴブリン達の最前列に氷の大花が咲いた。
その花は19数匹のゴブリンを凍りつかせそのまま戦場に咲き誇る。
「暑苦しそうな外見なのに氷系魔術を使うとか…。」ニーニャさんが呆れた声を上げた。
「しかしすごい威力ですよ!」とヤツバさんは驚きの声を上げる。
『あれは氷系上位にある魔法”カレンデュラコフィン”ですね。氷河の中で永遠の眠りについていると言われる古代の氷の女王の力を借りた魔法です。』
そしてその魔法を合図に冒険者達は後退に成功した。
「ハルさんもお願いできますか?もう少し数を減らしたい!」
「わかりました!」
よしやっと私の出番です!少し本気でいきますか。
「あ!ハル様っ…」ヤツバさんの焦ったような声が聞こえたような気がしましたがまずは攻撃が先です。
私は右手を前に差し出し詠唱する。
「我が右手に在りしは神戻りし大地!…降れ!土雷!!」
雲ひとつない空に突然降り下りた雷の雨は、ゴブリン達に襲い掛かった後大地へと還っていった。
そして…ゴブリンは全滅していた。あ、やりすぎた…かな?
恐る恐る振り返ると、ニーニャさん、ヤツバさん、カザリが笑顔でこちらを見ていた。あれ、皆笑顔なのになんだか背中に冷や汗が。
「ハル!あれほどやり過ぎるなって言っただろ!」ニーニャさんがお説教を始める。
アーデルさん達は唖然とした顔で言葉もないようだった。
「たったあれだけの詠唱であの威力だと?ありえん…」ギャリドさんのつぶやくような声が聞こえた。
そんな緩んでいた空気を嫌ったのか凄まじい吠え声が私達を襲った!
忘れていた!同種喰い!!
慌てて声の方に注目する。
そこにいたのは、黒い肌に黄金の瞳を持つ身長2mほどの男だった。しかし頭にはオーガのような角がありどうみても人には見えない。オーガを少し小さくしたような感じだ。
『ズイブン余裕ダナ?マアタイシタ魔法ダガ、俺ニハキカンゾ。』
獣がむりやり人の声を出しているような声でそのオーガイーターは話し掛けた。
って、へ?
「うそだろう…モンスターが人語を解するだとっ!?」
アーデルさんが驚きの声を上げる。皆も似たような状況だった。
ナビ先生、こんな事あるんですか?モンスターが人語を理解するなんて?
『いえありえない事態です。モンスターが人語にかぎらず他の言語を理解しようとする事自体がありえません。そのような者がいるとすればそれはモンスターではなく…』
「幻獣種…」だれかの囁くような声がその場を支配する。
幻獣、ドラゴンやユニコーンなどが有名だろうか?モンスターであってモンスターではない、人語を解しその驚異的な力をふるい人を救うことすらある超常の存在。それが、あの同種喰い?
『ドウシタ?カカッテコナイノカ?準備の時間は十分アタエテヤッタ筈ダガ?』
オーガイーターは余裕の笑みすら浮かべてこちらを挑発してくる。
同種喰いに生半可な魔法が聞かないのは経験済みですが、前と違って今回は仲間がいます!撤退するにしてもある程度のダメージを与えておかないと逃げきれないでしょう。
「皆、やるぞ!散開!」アーデルさんの号令で同種喰いとの闘いが始まった。