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襲撃っのようですよ!?

3月10日(木)の投稿となります

「ほうこーーーーくっ!前方の敵、ゴブリン15!ゴブリン15!!」

「報告!報告!右側の敵、ゴブリン8にオーガがまじってやがるっ!数は2だっ!!」

次々と敵に対する情報が上がってくる。これはアーデルさんが徹底した方法で、全体の知識の統一をすることで動きやすくするためらしい。

報告を受けたアーデルさんは順次指示を飛ばす。

「商人の護衛部隊は本隊側に商人を避難させろ!!A班は前方のゴブリンにそのまま当たれ!C班は右のやつらだ!B班、D班は他に伏兵がいるかもしれないからその警戒!特に後方に注意しろ!偵察隊は周囲の警戒!本隊付きは指示があるまで待機!」

オオオオッ!!と雄たけびをあげ指示に従い行動しだす冒険者達。

「ニーニャさん、ヤツバさんは右の方の援護に回ってくれ!できればオーガを受け持ってくれると助かるっ!」

ニーニャさんはニヤリと笑みを浮かべると了解を示してヤツバさんを連れて駆け出す。

気を付けて!二人共。

「カザイルとハルさんはここで負傷者の治療を!カザリさんは二人の護衛を頼みます。」

「心得ていますよ!」カザイルさんがそう言うと、馬車の入口を解放し広めのスペースを作る。

「わかりましたっ!」私も返事をする。がんばらねば!

しばらくしてケガを負った人が担ぎ込まれてくる。ひどいケガだ…

カザイルさんが手早く回復魔法を使い、そのケガを癒していく。

「B班もう少ししたら前方のA班と交代だ。準備しておいてくれ!」

アーデルさんが戦況を見ながら指示を出す。

さっきの人を除いてケガ人は現れず、戦いは収束しつつあった。オーガがいたとはいえこっちの数も30人以上もいるのだ。アーデルさんの指示も的確だし私の出番はないかなあ。と思っていると。

「妙だな…」アーデルさんがポツリと呟いた。

「妙、とは?」気になったので尋ねてみた。

「いえ、オーガを連れているのに他に上位種の姿がない。下位種のゴブリンにオーガが従う訳もないし、オーガがゴブリンを支配するのも変です。ヤツラは基本的に群れない、上位種が現れない限り…」

とそこにオーガの処理に向かっていたニーニャさん達が戻ってきた。

「とりあえずオーガは倒したよ。後の処理はまかせろって言われたから戻ってきたけど…なにかあったのかい?」

私がアーデルさんに言われたことを話そうとしたその時。

「敵襲ー!後方から敵!数は30!数30!!なお本隊に追加報告あり!!」

その叫びの後、偵察隊にいたアーデルさんのパーティーメンバーの人、斥候スカウトのナズローさんが駆け寄ってきた。

「アーデル!!詳細報告だ!ヤバイぞ!敵の中に亜種らしき物がいやがる!!今D班が対応してるがこのままじゃもたねえぞ!」

「亜種かっ!なにかわかるか?」

ナズローさんはゴクリと唾を呑み込み報告を続ける。

「ああ、鑑定の結果ソイツは…同種喰いだっ!!

この場にいた全員に衝撃が走る!

同種喰い!?まさかそんなっ!

「それも、それもオーガの同種喰いだった!」

ゴブリンの同種喰いですら脅威度がBランクまでハネ上がるのに、もともとゴブリンより脅威度の高いオーガの同種喰いなんて…

「オーガの同種喰いなんてものがなんでこんな王都の近くで…」

アーデルさんが呻くような声を出した。

「どうする?ゴブリン30の方はこの戦力ならなんとでもなる、だがオーガのほうは…」

アーデルさんは少しの間逡巡したのち指示を飛ばす。

「よし撤退する!商人達は何時でも移動できるようにしているな?よし、道の前方に向けてそのまま移動だ。A班は前方に向かってくれ!B班と協力して敵の排除をたのむ!」

そしてこちらへ向き声を掛ける。

「ハルさん達のパーティーは僕達と共に殿しんがりをお願いしたい。たしかゴブリンの同種喰いを倒したことがあると聞いている。」

私は皆を見た。ニーニャさん、ヤツバさん、カザリ皆こっちを見て頷いてくれた。

「わかりました。」

アーデルさんは緊張でガチガチな私を見て表情を緩める。

「大丈夫ですよ。直接戦うわけではありません商隊が逃げるまでの時間稼ぎですから。」

それならなんとかなる…かな?

アーデルさんはナズローさんに指示を出す。

「ナズロー、前で指揮を取っているギャリドを呼び戻してくれ!」

「人使い荒いなぁあいかわらず!」

そういって隊の前方へ駆け出す。早い!?その姿はもう見えない。

「たしか早駆け(スピードスター)のナズローでしたか。

カザリが感心したように言った。

「よし移動開始だ急げ!!」

アーデルさんの号令で商隊は動き出す。

同種喰い…まさか再び戦うことになるなんて。


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