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いざ王都へ!らしいですよ!?

3月9日(水)の投稿となります。

他の本隊の護衛の冒険者達とも挨拶を済ませ、王都に向けて出発ということになった。だけどその前に。

「アレーナさん、色々お世話になりました。」

アレーナさんとの別れが待っていた。王都にいけばそっちで修行で掛かり切りになるはずだ。なのでマハルの街にはしばらく来ることもないはず。

この街には一か月もいなかったが、色々な出会いが待っていたなぁ。

「アレーナ殿に受けた御恩は生涯忘れません。」

ヤツバさんはそう言って深々と頭を下げた。

「ハル様がお世話になったようでありがとうございました。」

カザリが私が世話になったことについてお礼を言っている。完全に保護者である、まあいいですけど…

「まあ、こっちに寄ることがあったら顔ぐらい見せるよ。」

ニーニャさんはあっけらかんとしていた。こういうのは慣れているんでしょうか。

「ふふっ皆さんもお元気で。道中お気をつけてくださいね。…ところでハル様ちょっとこちらへ。」

なんでしょう?アレーナさんに手招きされ、皆と離れた場所へと…

「ハル様、お別れの前に一言言っておきたいことがあります。」

アレーナさんがことのほか真剣な表情でこちらを見てくる。私も表情を改めて頷いた。

「ハル様、これからさまざまな困難がハル様の前に立ちふさがるでしょう。だから、この言葉を胸にその困難に立ち向かってください。決して恐れず心折れずに…」

ゴクリ、思わず喉がなってしまったが、そのままアレーナさんの言葉を待つ。

「…『貧乳は罪ではない、貧乳こそが世界の愛そのものである』偉大なるエルフの祖、ユーイチローザ・エルブンスキーの言葉です。」







はっ!?あまりのことに呆然としてしまった私は、ガッシとわたしの肩を掴むアレーナさんによって意識を取り戻した。

「あの…アレーナさん?」

アレーナさんは最初出会った時のような慈愛を帯びた瞳で私を、いや私の胸を見ていた。

「分かっていますよハル様、パーティーメンバーがすべて巨乳という地獄の環境!しかし、しかしです!貧乳とは世界愛!神の与えた本当の福音なのです!」

あれーこのひとはだれだろう?いつものれいせいでまじめなあれーなさんじゃないぞ?

後、カザリはともかくヤツバさんはそんなに胸大きくないような…いやそうじゃなくて!

「ちなみにヤツバ様はその胸を布かなにかで押さえつけていますね。」

私の眼はごまかされませんと自慢げに言われた。

あ、そうですか…

その後も色々言われたが頭に入ってきませんでした。なんかドッと疲れましたよ。

アレーナさんと別れ、皆の元に。

「大丈夫かい?なんかフラフラだけど?」

ニーニャさんが心配してくれましたが、あなたの親友のせいですよーとは言えずごまかした。

「それでは出発しますよ。」

商隊のリーダーであるアルペゾさんの声がして隊が動き出した。

私達は所定の位置に移動する。私は馬車の中らしい。

もう一人、回復魔法の使い手である男性の方、アーデルベルトさんのパーティーメンバーである、カザイルさんだ。

「よろしくお願いします。」

馬車に乗りこみカザイルさんに改めて挨拶する。

「ハルさんでしたねこちらこそよろしく、まああまり気負わずにいきましょう。」

カザイルさんは30代くらいの優しそうな人だ。大地と豊穣の女神アトに仕える神官でもあるらしい。

そうそう、この世界は所謂多神教である。その民が一つの神のみを崇めるというのはあまりない。一つの国を除いて…

ちなみにこの馬車は商隊のではなく、アーデルベルトさんのパーティーの所有物だそうだ。アーデルベルトさんのパーティー『白鳥の騎士団シュバンリッターオルデン』は護衛依頼を中心に受けているパーティーだそうだ。

しかし名前を聞いたときから気にはなっていたけど、なぜドイツ語?

私が聞こえる名称は、英語が重なって聞こえるがそれは異世界人の名残らしい。

あくまでイメージが言葉となって聞こえてくるというか、上手く説明しずらいのですが。

でもアーデルベルトさんのパーティー名といい、そもそもアーデルベルトさんの名前もなんか他の人たちと違う印象を受けるのだ。

アーデルベルトさんは…長いからアーデルさんでいいや、はここカトリアス王国出身らしい。しかし、ドイツ語風な名前の人はアーデルさんが初めてのような気がする。ドイツ語詳しくないですが。

そんなことをつらつらと考えながらも旅は順調に進む。

野営も何度か経験していたので、こんな大規模なのは初でしたが、問題なかった。

王都までは4日の距離を残り2日、丁度半分の距離ですね。モンスターの襲撃もなくここまでこれた、ひとえに主要街道で街道整備がしっかりしているためだろうか。

気も緩み、馬車の中でうつらうつらとまどろんでいると…


「敵襲ーーー!!敵襲ーーー!!前方から数15!数15!」


「敵襲ーーーーー! 敵襲ーーー!右の森から数10!右から数10だっ!!」

偵察していた冒険者達の敵襲を告げる叫びが響き渡った!

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