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女神扱いされたようですよ!?

3月8日(火)の投稿になります。

正確にはドキュラだけが居たのではなく、10人以上の冒険者と、話に聞いていた以上の数の商隊だった。

「あ、やっと来ましたね。」

そういってこちらへとやってきたのは…アレーナさんだった。

「アレーナさんなぜここに?あとこの商隊の数は一体…」

アレーナさんは申し訳なさそうにしながら説明してくれた。

「実は、緊急の依頼が入ったんです。アルペゾ商会というところが、王都へ急に商隊を送らなければならなくなったらしいんですが、どうせならと王都に向かう商隊を纏めてしまおうという話になりまして…」

アレーナさんが後ろを振り向く。その後ろに一人の男性が見えた。アレーナさんがその男性を呼ぶとこちらへと歩いてきた。

「失礼。商隊の護衛の方達かな?私はハゾン・アルペゾ、アルペゾ商会のマハル支部の支店長をしております。」

と言って丁寧な挨拶をしてきた。

歳の頃は50前くらい?第一印象としてはダンディな人だろうか。趣味のよさそうな仕立てのいい服をキッチリと着こなしている。髪に白いものが多少混じってるが彼のダンディな感じをさらに引き立てている感じだ。

そっとニーニャさんが私を前に押し出す。いや、こういう堅苦しそうなの苦手なのは分かってますけどね。押さないで下さいよニーニャさん。

「初めましてアルペゾさん。私はハル・スメラギ、商隊護衛の依頼を受けたランクC冒険者パーティー『楽園の乙女』のリーダーです。」

そうなのだ、なぜか私がリーダーにいつの間にかなっていたのだ。『押し付けられたとも言いますね』先生うるさいです。

あと名前についてはなぜそんな名前にしたのかよく覚えていない。


夜中のテンションはおそろしいですね!


その後、ニーニャさんたちも紹介して(私が)今回のことの詳細をアルペゾさんから聞いた。

「実は、王都へ送る商品の手配が遅れていたのですよ。それがやっと送れるということになり、今日を逃すとかなりの損害になると予想されましてな。そこでギルドに依頼したのですが、今日は幾つもの商隊が出ると言う事で、護衛の冒険者の数が足りないと言われましてな。ならいっそのこと纏めてしまえばどうかと提案しまして、このような大所帯になった訳です。」

なるほど。一まとめににしてしまえば護衛の依頼料も個々で出す分が安くすむという利点もでると。

「あと、この規模の護衛なら多少ランクが低くても護衛に参加できるというギルド側のメリットもありまして。」

とアレーナさんが教えてくれた。

「そうそう、この規模なので護衛のリーダーが必要となるのですが、紹介しましょう。こちらへどうぞ。」

アレーナさんの後を付いていくと、複数の冒険者のグループに指示を出している男性がいた。

歳はまだ若く20代前半くらいに見える。見事な金髪は肩に掛かるくらいに伸ばしている。服装、というか鎧は豪奢な装飾が施された板金鎧だが、関節部など所々丈夫な布で補強してあり、実に実戦的だとニーニャさんが教えてくれた。

アレーナさんが彼を呼ぶと、冒険者達に一言添えてからこちらへやってきた。

「アーデルさん、こちらが最期の護衛のパーティー『楽園の乙女』です。」

アーデルと呼ばれた若者はニッコリと微笑み挨拶してきた。

「僕はアーデルベルト・ベルクナー、冒険者ランクBのパーティー『白鳥の騎士団シュバンリッターオルデン』のリーダーだよ。」

とこちらもニーニャさんから順に自己紹介して、そして…

「初めまして美しき女神よ、御名をお聞かせください。」

そう言って私の前に跪きこうべを垂れた。


えーとなんですかこれ?

ニーニャさん達には普通に挨拶してたようですがなぜ私だけ?

「ああ、気にしないでください。彼の病気みたいなものですから。」

とアレーナさんは本当に気にしていないようだった。

「あ、あのハルといいます…」

「ハル!たった二音でありながら美しきあなたのすべてを現したよき名だ!失礼、手の甲に唇を捧げても?」

「あ、はい…」

あ、思わず了承してしまった。

アーデルベルトさんは手慣れた感じで唇を手の甲へと落とす。なんか平然としてますね私も。まあ、何人もの人にこうされていた記憶があるからでかね…

「女神に会えた今日という日を神に感謝を。さてそれはそれとして君達の役割分担だが。」

切り替え早いですね!?からかわれたのでしょうか。

「へへっアーデルベルトさん!そいつの世話は俺にまかせてくだせえ!」

いきなりアーデルベルトさんの声を遮り、声を掛けて来たのは…

ドキュラだった。そういえばいましたねこんな人。

「あなたはたしか、ランクDのドキュラさんだったかな?」

そういわれると嬉しそうに頷いた。

「覚えていただけてたんですね!そうです、そいつとは知った仲なんで俺が面倒みますよ!ランク下の者を世話するのは同然ですからね!」

…えーとアーデルベルトさんにいい格好を見せたいのだろうけど。

「うん?彼女達はランクCであなたより上のはずだが?」

そう言われたドキュラがポカンと口を開ける…ああ、知らなかったんですね。それに。

「ドキュラじゃないか、あたしを無視するなんてひどいね!」

とニーニャさんがニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべる。

「ニ、ニーニャ?え?なんでアンタがそいつと一緒に?」

ニーニャさんとパーティー組んでることも知らなかったと。

「彼女達の振り分けは僕が決めるよ。一応この護衛隊のリーダーだからね。」

と言われスゴスゴと立ち去るドキュラ。

なんだったのでしょうかね。

「さて、大体はアレーナさんから聞いているよ。君達は僕たちのパーティーと共に本隊の護衛についてもらう。これは主にハルさん、君が重要な役割を占めるからだね。」

私が重要?

「それは姫…コホン、ハル様が回復魔法を使えるからですね?」

とカザリがアーデルベルトさんに尋ねた。危うく姫様いいかけたけど。

「うん、回復魔法の使い手は少ないからね。今回もうちのパーティーに一人いるだけだしね。」

とりあえず、そろそろ出発ということなので私達が護衛する本隊へと向かう。

初の護衛依頼がんばりますか!






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