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もう一人の転生者?のようですよ!?

3月4日(金)の投稿になります。

[いやいや!アレーナ君、いくら同種喰いを倒したからと言ってランクEの冒険者がいきなりランクCに2ランクアップだなんて、そんな前例のな{ありますよ、前例。ケン坊、もといギルド長もご存じのはずです。」」

アレーナさんの発言を受け、慌てて反論しようとしたギルド長が再びのアレーナさんの発言に口をパクパクさせた。あるんですね前例…

「前例?…ああ、10年前のあれかね?しかしあれは。」

ギルド長がなにかを言いよどむ。なにかあるのでしょうか?

「マサキ・ナカグァー、現在王国に5人といないSランク冒険者にして、唯一現役にしてSSランクへと昇格が有望視されている方。10年前、王都を襲ったオーガ亜種を当時ランクEだった彼が単独で撃破、その功績によりランクCへと2ランクアップしたと記録にありますが?」

マサキ・ナカグァー?…ナカグァー、中川?中川マサキって、まさか転生者?もし転生者でチートな能力を貰っていたならその活躍も頷けますが。

「あれはたしかにそうだが、マサキ殿はその前に色々その力を見せていて、ランクアップの速度を上げる算段を当時のギルド上層部が計画していたはずだ。しかし今回は本当に知名度もない女の子ではないかね。それなのに。」

アレーナさんはズイっと顔をギルド長へ近づけ、囁くように言った。

「ギルド長?ハル様のスキルなどは先日報告に上げていたはずですが?まだ目を通しておられませんか?」

ギルド長は顔を引きつらせ後ずさる。

「見た!見たとも!!しかし一部の情報については、君の想像の域を出ないのではないかね?ハル君がその、イカルガの…だとしてもだ!それとこれとは話が違う!」

ニーニャさんから聞いたのか、それともアレーナさんの推理なのか、私の出自が報告されているようですが…秘守義務、はギルド上層部には伝えるって言ってましたっけ。

「つまりギルド長は私を信用していないと?」

「だれもそんなことは言ってないだろう!!わかった、わかったから左手に魔力を込めるのをやめなさい!〈殲滅の魔女〉復活とか冗談じゃないっ!?」

せ、殲滅の魔女!?とか物騒な名前ですね…アレーナさんの過去に一体なにが?

ふとヤツバさんの方を見ると、アレーナさんの方を尊敬するかのようなキラキラとした目で見つめていた。何でしょう、何時もはキリっとしててカッコイイといった感じなのですが今は尻尾をはち切れんばかりに振る子犬の姿がダブります。なんかカワイイですね。

「おお、殲滅の魔女と言えば、父上から聞いたことがあります。治療師ヒーリングキャスターでありながら精霊術師エレメンタルキャスターとしても優秀で、マサキ・ナカグァー殿とともにエルフの森を襲ったワイバーンの群れを殲滅したことからついた二つ名が〈殲滅の魔女(シビュラ)〉!アレーナ殿がそうだったとは。」

と語りだすヤツバさん。目からハートが出る勢いですよ。

それにしてもアレーナさんってかなりスゴイ人?仕事はかなり出来る人だとは思ってましたが、というか話にでたマサキって人と知り合いなんですか。そんなことを思ってる間にギルド長との話がまとまってきたようです。

「マサキを知る私の見立てを疑うのですか?彼女達はきっとギルドにとっても有益な存在になりますよ。そもそも脅威度Bクラスを倒せる人物を遊ばせておくつもりですか?なんですか、バカなのですか?無能なのですか?奥さんに浮気のことをばらされたいのですか?」

「まてまて!前半は分かった!しかし後半は悪口だし、そもそも私は浮気なんかしてないっ!」

もうなんというか、アレーナ無双劇になっているような気がしますよ…

畳掛けるようなアレーナさんの権幕に、20歳ほど老け込んだようなギルド長は私達に向き直り、一つ大きなため息をついてから話し出す。

「ああ、まあ色々あったが…アレーナ君の提案はもっともだと私も思っている。前例も、まああることだし君達のランクCへのランクアップを認めよう。」

「ああ、本部になんて言おう…」

なにか聞こえたような気がしますが、聞こえない聞こえない。

まさかわずか数日で目標のランクCになれるとは。

「やりましたね、ハル様!」

とヤツバさんが抱き着いてきた!私も思わず抱き返す。

と、いつの間にか準備を終えたアレーナさんがギルドカードを渡してきた…そういえばまだ預けたままでした。

「はい、お二人共。おめでとうございます!最速のランクCですね!」

そういってウインク一つして笑うアレーナさんはすごく綺麗でした。

さあ兎にも角にもこれでニーニャさんを仲間にできますね!



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